アイドルグループ「SUPER☆GiRLS」の前島亜美さんが26日、東京・世田谷パブリックシアターで上演される舞台「幸福な職場~ここにはしあわせがつまっている~」の、初日公演直前の公開ゲネプロに登場した。前島さんは重度の知的障害と自閉症を併せ持ち、感情の起伏が激しい少女という難役を熱演した。
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前島さんは、自身の役柄について「私にとっても初めての経験なので、知的障害を抱える人生ってどういうものなんだろうなといろいろ考えながらけいこに励んできました」と苦労を語り、「人生に何も変わりがないんだな。夢もあるし恋もするし、働く幸せを求めて『ここで働かせてください』と、たくさんの人に声を上げてメッセージを届けている。普段まひしてしまって感じていない働く幸せを見いだしていただければ」とアピールした。
同舞台は、放送作家としても活躍するきたむらけんじさんの代表作で、昭和34(1959)年、東京・蒲田にあるチョーク工場が、初めて知的障害者を雇用した際の実話を基にした仕事にまつわる物語。障害を持った少女が人生で初めて「働く喜び」を知り、さまざまな事情を抱えた従業員たちに、仕事への向き合い方を考えるきっかけをもたらしていく。
人気ミュージカル「テニスの王子様」(テニミュ)のセカンドシーズンで人気を集めた安西慎太郎さんが主演を務め、前島さんのほか、松田凌さん、谷口賢志さん、馬渕英里何さん、中嶋しゅうさんらが出演。工場の経営に頭を悩ませる専務役を演じた安西さんは「知的障害者を雇用することが自分の会社にとって一番いいことと決められる懐が深い男の魅力的なところを見ていただきたい」と語った。松田さんは「幸せの意味がいろいろ出てくるんですが、それぞれの感じ方で、明日につながるようなものを感じてほしい」とアピールした。29日まで同所で上演中。