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松本若菜:10月期フジ木曜劇場主演で悪女役 「昼顔」「あなして」の流れをくむ夫婦のタブーを扱ったドラマ第3弾「わたしの宝物」

松本若菜さんが主演する10月期のフジテレビ系ドラマ「わたしの宝物」のビジュアル(C)フジテレビ

 俳優の松本若菜さんが主演し、オリジナル脚本で描く大人の恋愛ドラマ「わたしの宝物」が、10月17日にフジテレビ系木曜劇場(木曜午後10時)でスタート(初回15分拡大)することが8月30日、明らかになった。松本さんは、同局系の連続ドラマ初主演で、夫以外の男性との子を、夫との子と偽って産んで育てる禁断の決断を下す悪女を演じる。

 “昼顔妻”を描いた「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(2014年7月期)や、セックスレスをテーマにした「あなたがしてくれなくても」(2023年4月期)を手がけた三竿玲子さんがプロデュースし、踏み越えてはいけない一線で葛藤する女性を描いた「昼顔」「あなして」の流れをくむ、夫婦のタブーを扱ったドラマ第3弾となる。

 テーマは「托卵(たくらん)」。動物の習性の一つで、自分の卵と誕生した雛(ひな)の世話を他の個体にたくす行為のことをいい、カッコウなどの鳥類は、他の鳥の巣に卵を産みつけ、その鳥に孵化(ふか)したひな鳥を育てさせている。今作は「托卵」という禁断の決断を下し、“大切な宝物”を守るために悪女になることを決意した主人公と、その真実に翻弄(ほんろう)されていく夫、愛した彼という2人の男性の運命を描いた愛憎劇だ。

 主人公の神崎美羽(かんざき・みわ)は、かつては大企業に勤めバリバリ働いていたものの、「子供が欲しい」と苦渋の決断をし、仕事をやめて専業主婦となった女性。だが夫・神崎宏樹(かんざき・ひろき)との愛はすでに冷め切っており、妊活どころかモラハラまがいの厳しい言葉を受けるようになっていた。そんな時、かつてひそかに思い続けていた幼なじみの冬月稜(ふゆつき・りょう)と偶然再会する。彼は苦しい時に必ず助けてくれるヒーローのような存在で、美羽は再び冬月に思いを募らせていく。宏樹のある行動がきっかけで美羽は冬月と一夜を共にしてしまい、彼の子供を宿す。美羽は「この子だけは、必ず私が幸せにする」と、愛する人の残してくれた宝物を守るために悪女になる決断を下す……。

 今作のイメージビジュアルも公開された。2022年に同枠で放送された「やんごとなき一族」で、“松本劇場”とも呼ばれた怪演を見せてブレークを果たした松本さん演じる愛と罪の狭間(はざま)でもがき苦しむ美羽の姿を、白と黒、タイトルにあしらわれた赤色で象徴的に表現。美羽の両隣には2人の男性の姿が影としてあしらわれている。重要な役どころとなる夫・宏樹と幼なじみの冬月を演じるキャストは近日発表される。

 松本さんと三竿プロデューサーのコメントは以下の通り。

 ◇松本若菜さんのコメント

 --今作のオファーを受けた時の思いをお聞かせください。

 今作の主人公・美羽のような、等身大の女性を演じられることに喜びを感じました。その中でも、女性としての悩みと言いますか、もしも自分の知り合いに美羽のような女性がいたら、私はなんて言えるのか、どういうふうに接することができるのか。そう考えたときに、もしかしたら私は背中を押してあげられないかもしれないと思いました。ですが、その女性は一体どんなものを背負って生きていくんだろうとか、誰か助けてくれるのだろうかということを思ったときに、その女性像の厚みというものが私の中でどんどん膨らんでいって、美羽という女性を演じることは、私にとっても挑戦だと思うようになり、ぜひともやらせていただきたいとオファーを受けさせていただきました。

 --台本を読んだ感想をお聞かせください。

 あっという間に読み終わりました。美羽と夫の宏樹は、理想的な夫婦と周りには見えているけれど、お互いが抱えているストレスだったり、日常の不満だったり、そういうものが家庭でぶつかって、すれ違っていきます。そんな時に幼なじみだった冬月さんと出会い、そこから美羽の人生が変わっていく……というお話なのですが、第1話から本当に展開がめまぐるしいんです。人生で何かが起こる時って、いろいろなパズルのピースが偶然ぴったり重なり起きたりするよなって思って、何かこの話が人ごとには思えないし、もしかしたら自分にも降りかかってくることかもしれないと思いました。第1話は怒濤(どとう)のように過ぎるのですが、その1話の中で美羽という女性、そして周りの人間たちの関係性がうまく重なり合ったら、とんでもないドラマができてしまうのではないかと思っています。

 --今作でフジテレビ系連続ドラマ初主演となります。意気込みをお聞かせください。

 フジテレビさんには、ここ数年でもいろいろな作品に出させていただいています。視聴者の皆さんには、「やんごとなき一族」が私のことを知っていただくきっかけになったドラマだという方もいるかと思うのですが、今回のチームは、そのときのスタッフさんも多くいらっしゃって、また声をかけていただいたということがすごくうれしかったですし、私の女優人生としてもかなりの挑戦となる、この美羽を演じる機会を作っていただいたということにとても感謝しています。

 --主人公・美羽を演じるにあたって、心がけようとしていることをお聞かせください。

 悲劇のヒロインには見えないようにしたいと思っています。美羽に起こった出来事は、もしかしたら誰にでも起こりえることなのかもしれないですし、“実はそういうことってあるんだよね”と、私も周りから聞いて、“ドラマだけの世界じゃないんだ!”と驚きました。実は知られていないだけで、実際にも起こっているということを考えたときに、この作品をただのフィクションとして楽しむこともできますが、もしかしたら、ラブストーリーの先に、ちょっと怖い身近に潜む人間の業や欲といったものを感じることができる、奥深いドラマになるのではないかと思っています。

 --ドラマを楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします。

 あなたの宝物は何ですか?このドラマを通して、私は一つの宝物を守り抜きたいと思っています。最後までそれを見届けていただけたらうれしいです。ぜひご覧ください。

 ◇プロデューサー・三竿玲子(フジテレビ編成総局・ドラマ制作部)さんのコメント

 今回の題材である托卵は、私が“「昼顔」のラストをどうしようか……”と考えていろいろ調べていたときに知り、とても衝撃を受けて、その頃から“いつかこの題材をドラマにできないか……”と、温めていた企画です。ただ、托卵をする女性のエピソードを調べれば調べるほど“恐ろしい悪女の話”が多く、企画に落とし込むのに相当悩みました。これまで自分がやってきたドラマは、“女性の奥底に眠る感情”を大事にしながら作ってきて、それが視聴者の皆様に受け入れてもらえていたと感じていたので、ただの悪女の話にはしたくない……。そんな試行錯誤の末、出来上がった企画が「わたしの宝物」です。

 主人公の美羽は、悪女になる選択をせざるを得なかった女性です。親にとってわが子は何にも代えがたい存在。この子のためならなんだってできる。そんな大切な宝物を守るためには、この選択肢しかない……と、托卵という、取り返しのつかない嘘(うそ)をつきます。それが身勝手で人を傷つけることになることもわかっていて、覚悟をもって悪女になったけれど、ずっとその罪にもがき苦しんでいる“悪女になり切れない”女性です。振り切った悪女ではないので、とても難しい役ですが、“悪女”という言葉とは対極にいるような方にお願いできたら、見ている方がよりリアルに感じられる物語になると思い、今回、松本若菜さんにお願いさせていただきました。

 若菜さんは、何度か番組をご一緒していて、いつも現場を明るく楽しくしてくれる気遣いの人ですが、お芝居が始まると、雰囲気も変わり、役としてそこに生きていて、見ている人を惹(ひ)きつける魅力のある方です。いろんな役を経験されていて、その作品ごとに違った顔が見られる若菜さんだからこそ、美羽という役をどう生きてくださるのか、とても楽しみにしています。

 もし、明日、自分が同じ立場に置かれたら、皆さんはどんな選択をするのか……。もしかしたら、美羽と同じ選択をしてしまうかも……。そんな、“もしも……”を感じながら、ひりつく大人の恋愛ドラマを楽しんでいただけたら幸いです。

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