この「ウイニング競馬 インタビュー」ページは「ウイニング競馬」のインタビュー記事を掲載しています。
テレビ東京の競馬番組「ウイニング競馬」(土曜午後3時)で、司会を務めている同局の冨田有紀アナウンサー。2021年春に入社し、3年以上がたった今、思うこととは? 「いろいろな働き方があって、アナウンサーに求められることって場面によって変わってくると思います。ただ、アナウンサーとしての技術を高め続けるという部分は、絶対に見失いたくない」と明かす冨田アナに話を聞いた。
◇「何もできなかった」初海外出張 基本に立ち返る大きなきっかけに
現在、2年目に突入している「ウイニング競馬」を中心に、朝の子供向けバラエティー番組「おはスタ」や、スポーツ番組「スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~」なども担当している冨田アナ。3年ほど前の入社時を「元々、アンサースクールにしっかりと通っていたり、学生キャスターとかをやっていたりしたわけではないので、技術も知名度も、他の方より“何馬身も遅れた状態”からのスタートでした」と振り返る。
「みんなは出ているのに私だけゲートの中にいる、みたいな。コンプレックスとまではいかないのですが、そういう思いもあって、アナウンサーとしての技術を高めるという部分は、常に大切にしています。年次を重ねて、自分のやり方が出てきてもいい頃かなとも思ってはいるのですが、今も先輩にお願いして、自分が担当した番組のVTRを見ていただいたり、研修を組んでいただいたりしています。経済番組を中心に働いている方と比べて、ニュース読みや経済、株価の話に触れる機会は少ないからといって、勉強しないということも絶対ないですし。だからこそ勉強する、技術を高めることに貪欲でいたいなって思っています」
そういった思いをさらに強めるようになったのが、今年2月のサウジアラビア出張。「ウイニング競馬」を担当して初の海外出張。レモンポップが出場したサウジカップを取材したが、現地では「何もできなかった」というもどかしさだけが残った。
「できたことと言ったら、英語が他の方よりは少し話せたので、通訳くらい。それ以外、アナウンサーとして何ができたかって考えると、特になくて。自分の中ではモヤモヤとしたものが残ってしまったのです。日本に帰ってきたときに、入社4年目、『ウイニング競馬』も2周目に入るのに『これではまずいぞ』と思い、自分の中で仕事との向き合い方が変わりました」
そこで冨田アナは「一回、基本に立ち返って、ていねいに押さえ直していこう」と考えるように。
「今、毎週木曜にBSテレ東の『NIKKEI NEWS NEXT』に出させてもらっているのですが、その週にもらった原稿を持ち帰って、湯船の中で練習しています。番組で一度、読んだ原稿を3周するまでは湯船から出ないです。原稿を読むというアナウンサーとしての基礎基本のところともう一回丁寧に向き合っています。最初から完璧にできる方なら、必要ないことかもしれません。ただ、私の場合は原稿読みが決してうまいとは思わないので、『技術を高める』という意味で。あとは自分から声を出すだけではなく、他局の競馬中継などジャンルを問わず地上波に限らず見て、こういう言い方をすると、こういう聞こえ方、伝わり方をするんだっていうことを日々学んでいます」
◇積極性を見せることができなかった学生時代の後悔を糧に
そんな冨田アナは「自分の仕事についてあれこれ考える時間が好き」で、「何月までにこれをできるようにしたいとか、何歳でこれをやりたいとか」計画を立てることも。
「『ウイニング競馬』をこの先、いつまで担当するかは、自分では分からないのです。しかし、この場所は、自分で頑張ろうと思えば限りなく学べるので、続けられるだけ続けたい思いはあります。それというのも高校、大学と部活動に入っていて、ダンスもやっていたのですが、どうしてもガンガンいけなくて、決して手を抜いていたわけではなかったのですが、積極性を見せることができなかったという後悔があります。アナウンサーになることはできましたが、それは運と周りの方に恵まれていた結果だと強く感じています。何か一つ、自分で後悔がないくらいまで頑張ってみたいという思いもあるので、この『ウイニング競馬』をやり切りたいなって」
改めて「サウジアラビアに出張に行ったときに、あまりのできなさに『自分の技量はこの程度なんだ』と痛感した」と語る冨田アナ。その悔しさを次回に生かしたいと語る。
「もし次、海外出張のチャンスがあれば、前回よりも、取材を受けてくださる方々の気持ちを視聴者の皆さんに届けるという役割をしっかりと全うしたいです。この仕事には決して正解がないのですが、しっかりと全うしたいです。この仕事には決して正解がないのですが、周りも、そして自分自身も納得する形でやり切りたいです。ずっとずっと成長し続けたいです」