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解説:名実況呼び込んだゆず「栄光の架橋」は20年前 NHK夏季五輪ソング史 浜田麻里に寺田恵子、大黒摩季からYOASOBIまで

2004年のアテネ五輪のNHK放送テーマソング「栄光の架橋」を歌った「ゆず」

 7月26日(日本時間深夜)に開会式が行われるパリ五輪。大会の模様は連日、現地から生中継されるほか、多くのニュース番組で取り上げられるはずだ。そんなときに欠かせないのが、各局が独自で選んだ放送テーマソング。ここでは、特に視聴者の印象に残っているであろう、NHKの夏季オリンピックテーマソングの歴史を振り返ってみたい。

 ◇始まりはソウルから 曲名を重ねた名実況も

 同局が、夏季オリンピックにテーマソング(または大会イメージソング)を採用するようになったのは1988年の韓国・ソウル大会からとされる。このときは、浜田麻里さんの「Heart and Soul」が選ばれた。浜田さん自身は同曲をきっかけに認知度を高め、翌1989年の「Return to Myself ~しない、しない、ナツ。」の大ヒットへとつなげている。

 1992年のスペイン・バルセロナ大会は、1980年代後半、ロックバンド「SHOW-YA」を率いて一世を風靡した寺田恵子さんのソロデビュー曲「PARADISE WIND」がテーマソングに。続く1996年のアメリカ・アトランタ大会は、大黒摩季さんの「熱くなれ」と、パワフルな女性ボーカリストの楽曲が3大会続いた。

 2000年代に入ると、まず2000年のオーストラリア・シドニー大会では、「ZARD」の「Get U’re Dream」が選ばれ、2004年のギリシャ・アテネ大会は、ゆずの「栄光の架橋」が採用された。

 ちょうど20年前にあたるアテネ大会では、日本が体操男子団体で28年ぶりに金メダルを獲得。最終種目の鉄棒で逆転勝利に導いた冨田洋之選手の演技を、曲名を重ねて締めくくった刈屋富士雄アナウンサーの実況の言葉「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」はあまりにも有名で、今でもオリンピック(またはスポーツ)の名場面に登場する。

 ◇Mr.Children、いきものがかり、安室奈美恵さん 嵐からYOASOBIへ

 夏季オリンピックとパラリンピックのテーマソングが同一になったのが、2008年の中国・北京大会から。同大会では「Mr.Children」の「GIFT」が選ばれている。日本のメダルラッシュに沸いた2012年のイギリス・ロンドン大会は「いきものがかり」の「風が吹いている」で、続く2016年のブラジル・リオデジャネイロ大会は安室奈美恵さんの「Hero」だった。

 まだまだ記憶に新しいのが2020年の東京大会。競技自体は1年順延され、2021年に行われたが、テーマソングには「NHK2020ソング」と銘打たれた「嵐」の「カイト」を採用。

 同曲はシンガー・ソングライターの米津玄師(よねづ・けんし)さんが作詞・作曲を手掛け、2019年12月31日放送の「第70回NHK紅白歌合戦」内で、完成したばかりの新国立競技場を舞台にお披露目されたことを覚えているファンも多いことだろう。

 そして今年のパリ五輪は、「YOASOBI」の新曲「舞台に立って」が大会を彩る。NHKのスポーツ中継や番組を盛り上げる「NHKスポーツテーマ2024」として制作。タイザン5さん、桐島由紀さん、春野昼下さんの3人のマンガ家に「スポーツ」をテーマにした作品を依頼。描きあがったマンガをもとに江坂純さんが小説を執筆し、それらを原作小説として生まれた曲で、アスリートが向き合う葛藤や、胸の高まりなどをイメージしている。

 同曲に乗せ、大会期間中はどんなドラマが届けられるのか。放送を楽しみたい。

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