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内野聖陽:主演作で監督&脚本・大森寿美男と再タッグ 新境地? WOWOWドラマ「ゴールドサンセット」で謎の老人に

「連続ドラマW ゴールドサンセット」で主演する内野聖陽さん (C)白尾悠/小学館 (C)2024 WOWOW INC.

 俳優の内野聖陽さんが主演を務め、大森寿美男さんが監督と脚本を担当するWOWOWのドラマ「連続ドラマW ゴールドサンセット」(全6話)が2025年にスタートすることが10月21日、明らかになった。特報映像も解禁された。今作は、白尾悠さんの同名小説(小学館)の映像化で、内野さん演じる謎の男をはじめ、心に傷を抱えた人々が、人生を見つめ直す感涙のヒューマンドラマとなる。

 1993年のデビューから、30年以上第一線で活躍し続けてきた内野さん。脚本・監督の大森さんはこれまでに、映画「黒い家」(1999年、森田芳光監督)、NHK大河ドラマ「風林火山」(2007年)、NHK特集ドラマ「どこにもない国」(2018年)で内野さん主演作の脚本を担当してきた。

 内野さんの新たな挑戦となる今作では、古いアパートに住む謎の老人、阿久津勇を演じる。阿久津は一人大声を上げたり、どこかおかしな振る舞いで隣の女子中学生に不審がられる始末だが、次第にその振る舞いの理由と、過去が明らかになっていく。

 阿久津が出会う心に傷を負った女子中学生、彼女が出会う人生崖っぷちの中年女性、過去の職場でのトラウマを抱える女性、大切な人に優しいうそをつき続ける青年など、どこかに生きづらさを抱える人々が、不思議な糸に操られて劇団「トーラスシアター」へ。この出会いを通し、一つの物語に結び付けられていく。

 劇中に登場する劇団「トーラスシアター」は、演出家の蜷川幸雄さんが晩年に力を注いだ、55歳以上が参加資格という劇団「さいたまゴールド・シアター」にインスパイアされたもの。登場人物の悩みとシンクロする、劇中に登場する戯曲のせりふにも注目したい。内野さん以外のキャストは今後発表される。

 ドラマは2025年に毎週日曜午後10時からWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで放送・配信(第1話無料放送)。

 内野さん、監督&脚本の大森さん、原作の白尾さんのコメントは以下の通り。

 ◇内野聖陽さん(阿久津勇役)のコメント

 --主演が決まった時の印象。また実際に演じてみていかがでしたか。

 これは、シニア世代のきらめくような瞬間がオムニバスのようになった作品です。  僕に課された役は、若い頃に犯した過ちから、まさに地獄の淵からはい上がろうとしているような男。  シェークスピアの「リア王」に自分の人生を重ね合わせ、シニア劇団で演じることで、人生の許しを乞(こ)おうとしています。非常にタフな精神のいる役だなと感じました。そして、演劇一本を立ち上げるパワーが必要な作品で、なんという挑戦的な話だろうと思いました。  人生を一度あきらめているような人物で、リアを演じることでしか、外界と接点を持てなくなっているような役なので、生きたいという思いを心に秘めて、人と交わらない緊張感が大変でした。自分は生きることを許されていないと自認している男で、リアを演じ切ることで、贖罪を果たそうとしている。こういう野心作は初めてで、なかなか大変でしたね。しかし、本当の演劇のように稽古(けいこ)を日々重ねてくださったので、シニア劇団が本当に自分のコミュニティーのように感じられるところまでなれたのはうれしかったですね。

 --今まで脚本作品でタッグを組まれてきた大森さんと、今回脚本・監督でご一緒されていかがですか。

 原作はありますが、シナリオ化が大森さんなので、いろんなシーンの要求がはっきりしている半面、とても深いイメージに基づいて演出されるので、理想が高く、期待に応えられたかどうか。でも感動的なシーンはたくさんあります。  普通のプロが毎晩演じる公演というより、役者を辞めた人間が一夜限りで演じる一世一代のもので、なおかつそれが、自分の罪の贖罪になっていく、そこが難しかったところですね。

 --視聴者の皆様へのメッセージ

 さまざまなシニア世代の生き直し、再生していこうという思いが、時に切なく美しい話だと思います。  また、演劇というものの効用が改めて問い直されてもいいと思えるような話だとも思います。

 ◇白尾悠さん(原作者)のコメント

 --映像化が決まった時のお気持ちは?

 喜び10%、疑心90%くらいでした。一般的に映像化はまず実現しないと聞いていたので、ぬか喜びになるのが怖かったのです。監督・脚本が大森寿美男さん、主演が内野聖陽さん、製作がWOWOWさんなんて、素直に信じるには豪華過ぎます。

 --ご覧になったご感想は?

 素晴らしい俳優さんたちによって登場人物たちが“生きて”いるように大興奮です! 小説にあまり登場しないキャラクター含め、皆が一筋縄ではいかない人間味にあふれていて、映画的な映像と相まって、本当に見応えのあるドラマでした。

 --視聴者の皆さまへのメッセージを。

 私のように、普通の中高年たちが織りなす深い人間ドラマが観(み)たい方、演技派俳優たちの競演が観たい方、シェイクスピアや演劇全般が好きな方、これは私達が待っていたドラマです! 少し違う展開のある原作小説と併せ、ぜひ最終回までご覧ください。

 ◇大森寿美男さん(脚本・監督)のコメント

 --映像化が決まった時のお気持ちは?

 まず白尾悠さんの素晴らしい小説を読んで、これは他人事ではないと思いました。表現と日常の親和性のようなものが描かれていて、しかも、演劇という特殊な世界に関わる人の話でありながら、それはすべての人に当てはまることを浮き彫りにされていました。これを映像化できることに喜びを感じ、表現と共に生きる我々にとっては、その存在価値を問われたようにも思え、全身全霊をかけた作品にすることを覚悟しました。

 --脚本作品で今までタッグを組んできた内野聖陽さんが、主人公・阿久津を演じると決まったときのお気持ちは?

 ある一人の人間、一人の役者の一生を描くにあたって、幅広い年齢を演じ、奥深い人の強さや弱さを体現できるのは内野聖陽さんしかいないと即座に思いました。これまでの経験から、揺るぎない信頼をもって、シェークスピアという高い壁にも立ち向かい、共に悩み、共に闘うことで、ようやく、この作品は成立すると思っていました。その期待以上に、内野さんは阿久津の人生を生き抜いてくれました。

 --視聴者の皆さまへのメッセージを。

 これは、有名な物語の世界を巡りながらも、ささやかな日常を必死に生きる、どこにでもいる人々の物語です。内野さんだけではなく、さまざまな人が主役といえるこの物語で、それを表現するのに理想的な素晴らしいキャストに集結してもらえました。その一人一人の魅力を伝えることが、そのままテーマになると信じ、最強のスタッフと創(つく)り上げました。ご期待ください。

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