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日笠陽子×上坂すみれ:「SHAMAN KING FLOWERS」 収録でぶつかった壁 喉と命を削って全力で

「SHAMAN KING FLOWERS」に出演する上坂すみれさん(左)と日笠陽子さん

 武井宏之さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「SHAMAN KING」の続編「SHAMAN KING FLOWERS」が、テレビ東京系で1月9日から毎週火曜深夜0時に放送されている。「SHAMAN KING」は、初のアニメ化から約19年ぶりに制作された新作テレビアニメが2021年4月~2022年4月に放送されたことも話題になった。続編「FLOWERS」では、「SHAMAN KING」で麻倉葉を演じた日笠陽子さんが、葉と恐山アンナを両親に持つ息子の麻倉花を演じ、ヒロインのアルミ・ニウムバーチ役の上坂すみれさんら豪華な新キャストが出演することも話題になっている。日笠さん、上坂さんに「SHAMAN KING」、「FLOWERS」への思い、収録の裏側を聞いた。

 ◇最終回で理解したこと

 --出演が決まって感じたことは?

 日笠さん 「SHAMAN KING」の最終回で、「花はそのまま日笠さんの予定です」と聞いて、ヤバい!となりました。突然言われたんです。最終回に花が登場するのは知っていて、誰がやるんだろう?と思っていて、収録の3日くらい前に兼役と知って、すごく驚いた記憶があります。

 上坂さん 「SHAMAN KING」は小学生の時からリアタイで読んでいて、「FLOWERS」を改めて読み、アルミはつかみどころがないと言いますか、オーディションの原稿も陽気なところ、花のこと何でも知っている……というところなど核心に迫るせりふが多かったので、どうやって演じようかな?とすごく悩みました。ちょっと浮世離れ感があるところを目指して、オーディションに臨みました。その2、3週間後に、決まりました!じゃあ収録です!と始まったんです。日笠さんが続投されるのをそこで初めて知ったので、すごい!という印象が強かったです。続投のキャストが多く、そこに入っていく緊張感がありました。

 --「FLOWERS」の印象は?

 日笠さん 「SHAMAN KING」の最終回で花を演じることが急に決まったので、どういう子に育っていくのか?をまず見ておかないといけないので、急いで「FLOWERS」を読みました。「FLOWERS」は、武井先生の描き方の妙みたいなものが、より技巧的になっている印象で、花は葉とは大分違います。後半から重要な新キャラクターが登場するのですが、そのあたりから、武井先生が伝えようとしていることが何層にもミルフィーユ状になっているようにも感じ、私の力では、ちょっと分からなくなったところもありました。何回も読んだんですけど、ずっと分からないところがあったんです。アニメの最終回で台本を読んだ時も同じ気持ちだったんですけど、現場に行って、花になり、しゃべった瞬間に、何かを理解したんです。こういうことだったんだ……と不思議な体験をしました。武井先生が伝えたいことは、いろいろなものに隠されていて、真意を直接描いているわけではないので、何かと何かがつながった時、突然理解するみたいなものがあるのでしょうね。

 --理解したこととは?

 日笠さん 監督の力も大きかったと思います。花の成長物語なのですが、花は戦う理由など何も分からないまま、がむしゃらにずっと戦っている。花はアンナに愛され、葉に愛され、葉はアンナを愛している。花は、アルミにも愛されています。自分に足りないものが、愛であると気付く。いつも愛をもらっていたのに、気付けないふりをしてきた中で、それに気付く物語だったんだなって。花はがさつなので、そういうストーリーには見えないんですけど、そこを踏まえてもう一度読むと、武井先生が込めた愛を感じます。

 --上坂さんは「SHAMAN KING」の思い出は?

 上坂さん 最初に読んだ時は9、10歳の頃で、週刊マンガ誌を買う家庭ではなかったので、コミックスで読んでいました。リアルタイムで連載しているマンガで、初めてお小遣いで集めたマンガだったんです。武井先生は小ネタやパロディーもあって、子供に向けて書いている感じではないところが格好よく感じていました。大人になって読むと気付くこともありますが、子供の頃、分からなくても読み進めていたのは、勢いがあるからなんですね。

 -ー「FLOWERS」の印象は?

 上坂さん 武井先生が花を息子のように可愛がっているんだ……と伝わってきます。私はアルミの気持ちで読んでいて、アルミは作中最強キャラのような立ち位置ではあるのですが、計り知れないところがあります。その力をむやみやたらと使うわけではなくて、花の暴走を止めるためだけに使います。自分が戦うのではなく、総監督であるという超越的なキャラなんです。武井先生のユーモア、計り知れない超展開が合わさって、次はどうなっちゃうんだろう?と全く予想が付かなくて、ワクワクします。「SHAMAN KING」を初めて読んだ時と同じ気持ちになれる作品です。個人的には(麻倉)葉羽さんと路菓さんの技名がとてもふざけていて、でも二人はそれを真剣にやっていて、それを誇りに思っています。そういうところも「SHAMAN KING」ワールドのすてきなところで、大人になって読んでもワクワクします。

 ◇転機になった瞬間

 --花を演じる中で意識したことは?

 日笠さん 私自身は男の子役の経験がそんなにあるわけではなく、七色の声を持っているわけでもなく、技術が高いわけでもないので、葉と一緒だと思われたくないみたいな感情が強くて、葉と変えなければ!と第1回の収録に臨みました。自分で花の演技を作って持っていき、気合を入れていました。私が音響監督さんに絶対に言われたくない言葉があって、それは「それっぽくやってるだけ」という言葉なんです。第1回のテストが終わった瞬間、それを言われてしまい、ショックでした。どうしよう!?とガラガラ崩れていくような感じがしまして。「葉と変えようとする気持ちが前に出すぎていて、それは花じゃないから」と言われ、へこみました。諦めずに何度もテストをしました。

 --テストを重ねる中でキャラクターが固まった?

 日笠さん 葉とは違う部分が自分の中で浮き彫りになっていきました。収録前は葉から見て、花はこういう子供であってほしいみたいな像を作り上げていたんです。ワチャワチャしていて可愛く、生意気を言っている中学生のようなキャラ作りだったんですね。花自身は可愛いと思われたいとは思っていない。音響監督さんからの指摘がすごく悔しかった気持ちが、花の感情とリンクして、それがいい方向に作用した、と自分では感じていました。すごい勢いで花に入り込んだ故に、ぶち当たる壁もありまして……。

 --壁とは?

 日笠さん 「FLOWERS」には、葉も出てくるんです。葉と会話しなくてはいけない。やっとつかんだ花を手放すのが怖くなってしまい、葉に全然ならなくなってしまって……。花の気持ちになっているから、親父が出てきて最悪!みたいな気持ちになっていたんです。それが自分ですごくショックでした。あんなに一年間一生懸命向き合い、大切にしてきた葉に対して、そう思ってしまうことがショックで、心が二つあるような状態になってしまい、もう滅茶苦茶な気持ちでした。花がどっかに行ってしまうのでは?という恐怖と戦い、捨てきれなくて、葉からも逃げてしまい……。音響監督さんに「アンナの収録があるから、その時に一緒にやろう」と言っていただき、その時にようやく葉になれる感覚がありました。林原さん(アンナ役の林原めぐみさん)に、「1000回練習してきなさい!」と愛のあるおしかりを受けまして。林原さんとお会いできて、アンナと会えたことが、転機となった瞬間でした。

 --1000回練習した?

 日笠さん 1000回はできなかったんです。100回くらいですね(笑い)。「SHAMAN KING」のメンバーがいると、スッと葉になれるというのは、あると思います。「FLOWERS」の収録の後、「SHAMAN KING」のアニメ以外の収録があって、その時は何の抵抗もなく葉になれたので、周りの人たちの影響を受けやすいタイプなんだな……と思いました。

 ◇上坂すみれがEDテーマに込めた思い

 --「SHAMAN KING」は約1年にわたって放送されました。

 日笠さん 1年以上に感じましたね。オーディションに受かった時、うれしい気持ちもあったのですが、不安な気持ちが勝ってしまうくらいでした。自分も見ていた作品ですし、ファンの方々の期待を裏切りたくない。いろいろな気持ちを背負って、常に1ミリも予断を許してはいけない一年間でした。気が抜けたことがなかったかもしれません。終わった後、達成感というよりは、無の境地みたいになりました。やりきったんだ!というよりは。力が抜けちゃって。また、役者に戻ってこられるのかな?と思うくらい背負って臨んでいたんでしょうね。燃えかすみたいになって、燃え尽き症候群に近いのかもしれません。こんな作品に出会え、1年も続けられることは、本当にありがたいことです。メンバーが変わっても、その熱量を「FLOWERS」で持ち続けなくてはいけない。めぐさん(林原さん)ら皆さんが持ち続けている熱量を引き継いで、「FLOWERS」で伝えていかなければいけない気持ちがありました。

 上坂さん すごく広いスタジオで収録しているのですが、その空気が聖域みたいなんです。道場に入ったような気持ちでした。一人一人が、キャラと向き合って戦っていて、焦りみたいなのがありつつ、「SHAMAN KING」シリーズへの皆さんの思いを感じて演じていました。肩に力が入ってしまうと、力みが出てしまいます。アルミは、大事な局面でしか、力を入れることはないキャラクターです。これまで、ギアを上げてぶっ飛ぶようなキャラクターを演じさせていただく機会が多かったので、みんなのことを抑えて、確実に勝とうとする冷静で芯のあるキャラクターをつかむのは、挑戦でした。

 --日笠さんと共演する中で感じたことは?

 上坂さん これまでいろいろな現場でご一緒させていただき、いつも日笠さんはラフにお話をしてくださります。新人もベテランも平等にお話ししてくれるんです。いつも何か場を明るくしてくださる印象があって、「FLOWERS」もお話をしてくださるのですが、みんなが練習!練習!練習!と打ち込んでいて……。

 日笠さん 確かに道場みたいだよね。

 上坂さん 修行の場のようでしたので、いつも元気な日笠さんが頭を悩ましながら、一つ一つせりふに向き合っている姿を見て、毎回刺激を受けていました。座長!という感じがすごくありました。

 日笠さん これまで、収録で低音が出なくなったことがあったんです。その経験もあって、黙っているところもあって、コントロールができないから、喉を温めすぎないように、あんまりしゃべらなかったところもあります。

 上坂さん 第10回くらいのアフレコの後に、「悩んでいることない?」「アルミは難しいよね?」と声を掛けていただいたことがあって、日笠さんは本当に優しいんです。日笠さんの優しさが現場の空気になっていると感じていました。

 日笠さん ちょうど葉と花の会話が終わった辺りだったんです。もっと早く話したかったんですけど、申し訳ないくらいいっぱいいっぱいだったんです。

 上坂さん うれしかったです!

 --最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

 上坂さん 日笠さんのお話を聞いたら、見ないわけにはいかないですよ! 日笠さんが本当にすごいので、皆さんよろしくお願いします! 

 日笠さん エンディング(上坂さんが歌うエンディングテーマ)の話は? すごくよかったよ! 毎回、エンディングを聴くのが楽しみでした。

 上坂さん オープニングは、水樹奈々さんの「Turn the World」という曲で、「SHAMAN KING」の熱血アニソンの系譜をいい意味で覆す楽曲です。私が歌わせていただいたエンディング「ディア・パンタレイ」は、歌詞がとにかく「FLOWERS」の世界そのものなんです。愛、受け継がれていくもの、魂のつながりが表現されていて、情熱的な歌詞になっています。私のアーティスト活動はおふざけソングが多いので、初めての真面目な曲かもしれません。真剣に生きること、愛を歌っていて、レコーディングで一番苦労しました。「FLOWERS」にふさわしいエンディングになるように、プレッシャーもあったのですが、熱い曲に仕上がっています。作中では、アルミの花への思いはあまり描かれていないのですが、楽曲では少しにじんでいるところもありまして、ぜひ聴いていただきたいです。

 日笠さん 熱いのに、切なさもあって、すごくいいんですよ。聴いてください! 「FLOWERS」は始まりの物語で、これで「SHAMAN KING」が完結するわけではありません。みんなが喉と命を削って、全力で立ち向かいました。一秒も見逃さず、見てほしいです。

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