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櫻坂46藤吉夏鈴:自身の“トロッコ時代”は「生意気でした」 映画初主演を務め俳優業に更なる意欲「もっとたくさんの感情を経験したい」

映画「新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!」で主演した櫻坂46の藤吉夏鈴さん

 この1年で、ドラマ「アオハライド」(WOWOW)や「作りたい女と食べたい女」(NHK総合)などに出演し、俳優としてのキャリアも積んでいるアイドルグループ「櫻坂46」の藤吉夏鈴さん。8月9日公開の映画「新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!」(小林啓一監督)では、映画初出演にして初主演を務めた。藤吉さんに、主演という大役を任された思いや、高校新聞部の“トロッコ”(新米記者の隠語)を演じたことにちなみ、自身の新人時代のエピソードなどを聞いた。

 ◇「毎日が怒濤」の撮影期間、同期メンバーの支えも

 一問目から予想外の答えに驚いた。演技経験がまだ浅いタレントの多くは「初主演にプレッシャーはありました」と答えるが、藤吉さんの答えは違った。

 「プレッシャーはあまり感じていませんでした。“主演”だから身構えるとかそんな気持ちはなくて、映画という新しいジャンルに挑戦できることにむしろワクワクしたというか、好奇心や楽しみ!といったポジティブ気持ちが大きかったです」

 だが慣れない現場なのは変わらない。「毎日必死でした」と振り返る。

 「他のキャストの皆さんとお話しする余裕がないぐらい、自分のことでいっぱいいっぱいで……座長らしいことは何もできませんでした。どうしたらうまくできるんだろう?と撮影中は何度も暗い部屋にいる感覚になりました」

 映画の撮影中、櫻坂46としての活動も舞い込む。「毎日が怒濤(どとう)」だったという撮影期間は、櫻坂46のメンバーに支えられたと話す。

 「同期の山崎天(崎は正しくは「たつさき」)や田村保乃が声を掛けてくれたり、プレゼントもくれたりして、とてもうれしかったです! 忙しいと心配してくれたからか、髪のケアアイテムをプレゼントしてくれました」

 そんな同期の支えもあって挑めた撮影。暗い部屋にいる感覚は徐々に薄れていった。

 「高石あかり(高は正しくは「はしごだか」)さん演じるかさねと、私が演じる結衣が最後別れるシーンを撮影して、モニターでチェックしているとき、視界がようやく晴れました。高石さんや、監督、スタッフの皆さんのおかげですが、こんなステキな映像に仕上がっているんだ!とうれしくなりました」

 ◇BACKSの経験が現在のバネに

 “トロッコ”の結衣にちなみ、藤吉さんに新人時代を振り返ってもらった。

 「私の新人時代は、ちょうど欅坂46が櫻坂46に改名するタイミングだったのもあって、これから“こういうグループになってほしい”という願望が強くあるタイプでした。その頃は、周りの人のこともあまり考えず、“こうしたい”と主張することもあって、本当に生意気な子でした(笑い)。でも、そこにうその気持ちはなかったので、純粋に頑張っていたのかな、とは思います」

 新人時代の頃の経験で、現在に生きていることはあるのだろうか。

 「櫻坂46の3列目メンバーのことを“BACKS”というのですが、櫻坂46になってから3枚目のシングルで初めてBACKSメンバーになったときは、結構悲しかったです。私自身、前の2列に入れば3つの曲のMVに参加できたのですが、BACKSは一つしか参加できないということもあって、前列のメンバーが経験していることを経験できないことも嫌でした。MV撮影が大好きなので、それにあまり携われなくなることが、つらかったです。でも今思えば、BACKSを経験しなければ、手に入れることができなかった表現や感情はありました。その時の経験は現在のバネになっています」

 今後の俳優業の展望も聞いた。芝居は楽しいか尋ねると、取材中一番の声で「楽しいです!」即答。「撮影が終わったときの開放感が忘れられなくて、それが癖になってしまいます」と笑う。

 「自分の持ってない感情や、経験したことのないことを表現することはすごく難しいのですが、それをこういう表情なのかな?とか模索していく過程が面白いんです。これからも、いろいろな役を経験して、もっとたくさんの感情を経験したいです!」と声を弾ませた。この人は根っからの“表現者”なのだと感じた。

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