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安達祐実:芸歴41年 「今でも記憶がよみがえる」子役時代の経験が俳優業の糧に NHK連ドラ初主演に意気込みも

土曜ドラマ「3000万」で主人公・佐々木祐子を演じる安達祐実さん(C)NHK

 現在放送中のNHKの土曜ドラマ「3000万」(総合・土曜午後10時)で、交通事故をきっかけにトラブルに巻き込まれる主人公・祐子を演じている安達祐実さん。1994、95年に放送された主演ドラマ「家なき子」(日本テレビ系)でブレークし、今年で30年。「あの作品がなかったら、今の私があるか分からない」と明かす安達さんに、俳優としての糧になった経験や、ドラマの見どころなどについて聞いた。

 ◇「いつも目にしているものとは違う」脚本に驚き

 ドラマは、コールセンターの派遣社員として働く佐々木祐子(安達さん)、夫の義光(青木崇高さん)、息子の純一(味元耀大さん)が交通事故に巻き込まれ、ちょっとした出来心で選択を誤ったことをきっかけに、その後の生活が一変。泥沼にハマっていくクライムサスペンスだ。

 安達さんは、演じる祐子について「祐子は、私とは全く違う選択の仕方をする人。どうしても『なぜ?』と拒否反応が出てしまって、それを乗り越えながら演じるのは大変でした。祐子は、普通ではない選択をしてしまうけど、土壇場に強いところや、へこたれないところは私と似ていて、演じていて面白いです」と話す。

 今作は、NHKが2022年に立ち上げた脚本開発チーム「WDR(Writers' Development Room)プロジェクト」の第1弾。海外ドラマの手法を取り入れ、弥重早希子さん、名嘉友美さん、山口智之さん、松井周さんという4人の脚本家が互いのアイデアを出し合い、完成度の高い全8回の脚本を完成させた。

 安達さんは脚本を読んで「いつも目にしているものとは、ちょっと違うな」と感じたといい、「普段読んでいる脚本は、物語の道筋ができていて、役の心情がはっきりと見えていることが多いのですが、今回の脚本は、こっちに向かっていくんだなと思ったら急に90度角度を変えてくる展開があったり、予想外の感情が湧き起こってきたりと、複雑で先読みできませんでした」と明かす。

 「ヒリヒリするシーンばかりだったので、祐子を演じていて、ずっと苦しくて。何かが起こるたびにさらに苦しくなっていくので、『どれだけ祐子は追い詰められればいいんだろう?』と心配もありました。ただ、物語が進むにつれて、私なりに祐子の行動に納得できる展開になっていくので、ホッとしましたね。ハラハラドキドキしながらも、『こういうことってあるかもな』と共感しながら見てもらえる作品だと思います」

 ◇ブレークのキッカケとなった「家なき子」への思い

 2歳で芸能界入りし、今年で芸歴41年を迎えた安達さん。中学1年生の時に「家なき子」で主人公・相沢すずを演じ、一気にスターダムを駆け上がった。あれから30年がたった今でも、「家なき子」は安達さんにとって特別な作品だという。

 「あの作品がなかったら今の私があるかは分かりませんし、本当に大切に思っています。『家なき子』のイメージがあまりにも強すぎて、苦しかった時期もありました。それでも、あの作品が私にとって重要だということに変わりはなかったですし、『家なき子』のおかげで、私の名前を世間の人に知っていただけて感謝しています」

 安達さんにとって俳優としての糧になった作品でもあるといい、「役の気持ちを考える時は、今でも『家なき子』の記憶がよみがえってきて、それを元に役と向き合うこともあります。あの時の経験が、今の私を作っているんだろうなと強く感じますね」と笑顔を見せる。

 「家なき子」以降もさまざまな役を演じてきた安達さんだが、実はNHKの連ドラで主演を務めるのは、今作の「3000万」が初めて。

 「NHKのドラマの主演をやらせていただけるなんて、これが人生最後かもしれないという意気込みで撮影に臨みました。自信を持って皆さんにお薦めできるものが作れたと思います」と喜びと決意を噛みしめる。

 「『3000万』は、いろんな方向に物語が展開していくので、最後まで飽きずに見ていただけると思います。サスペンスの中にも、夫婦や家族の絆が描かれていて、人間の美しい部分と汚い部分の両方を見られる作品。『身に覚えがあって心が痛い』みたいな場面もあるかと思いますが、人間の面白さと怖さを味わい、楽しんでいただければ幸いです」

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