俳優の高杉真宙(まひろ)さんが、住野よるさんの小説が原作の劇場版アニメ「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」(キミスイ)で声優に初挑戦することが3月16日、明らかになった。高杉さんが主人公の“僕”を演じ、声優のLynn(リン)さんがヒロイン・山内桜良役として出演する。高杉さんは「まずは驚き、その後、うれしさや緊張などがこみ上げてきました。元々マンガやアニメが大好きで、いつか声のお仕事ができたらいいなとずっと思っていたので、こうしてやらせていただけるということが決まり、頑張らなくてはという気持ちがすごく強いです」と意気込んでいる。
高杉さんは、アフレコについて「台本を読んだり、いただいた資料を見たり、テストアフレコというものをやらせていただいたりしました。テストアフレコをする前までは分からないことも多かったのですが、いろいろ教えていただいて、自分の入ったことのない世界にやっと踏み出した感じがしています。実感もわいてきましたし、もっとしっかりとこのキャラクターのことを理解して演じていきたいなというのもあって、改めてもっと台本を読み込もうと思いました」とコメント。
ヒロイン役のLynnさんは「本編は高杉さん演じる“僕”とのかけあいが多く、ほぼ二人の会話劇なので、アフレコ現場での空気感を大切にしていきたいです。そして、一言一言丁寧に心をこめて、見てくださる皆さんの心を動かすような作品にできればと思っているので、気持ちをこめて、全力で、楽しく、後悔のないように、一生懸命、桜良として生き抜きたいです」と話している。
アニメを手がけるプロデューサーは、“僕”について「一見すると人が苦手で暗そうな少年ですが、その実、自分の考えや価値観をしっかり持ち、常に何かと戦っているような少年です。そうしたキャラクター性の表現に求めていた声の艶や質感と共に、作中での“僕”の成長を描くのに、うまさと未完成さを兼ね備えた声の芝居が必要でした」と話し、高杉さんがナレーションを担当したウェブ動画を見て「“僕”の声を見つけた。そう確信しました」と起用を決めたという。
「君の膵臓をたべたい」は、2016年の本屋大賞で2位にランクインし、累計発行部数が260万部を超える人気小説。クラスで目立たない存在の“僕”が、膵臓の病を患うクラスメートの桜良が書いていた文庫型の闘病日記・共病文庫を病院の待合室で偶然見つけたことから、次第に桜良と一緒に過ごすようになる……というストーリー。女優の浜辺美波さんと人気グループ「DISH//」のメンバーで俳優の北村匠海さんがダブル主演した実写映画が17年7月に公開された。
アニメは「ALL OUT!!」などに参加してきた牛嶋新一郎さんが監督を務め、「うしおととら」などのスタジオヴォルンが制作する。予告編も公開され、“僕”と桜良が「死ぬまで仲よくしてよ?」「君は本当に死ぬの?」などと語る姿が描かれている。9月1日に公開。
◇スタッフ(敬称略)
監督・脚本:牛嶋新一郎▽キャラクターデザイン・総作画監督:岡勇一▽美術監督:小川友佳子▽音楽:世武裕子▽アニメーション制作:スタジオヴォルン