国内最大のゲーム展示会「東京ゲームショウ2016」で、「VR体験コーナー」のブースに登場した異色のVRゲーム「サークルオブセイバーズ」が話題となっている。セーラー服姿の女性が、華麗な剣さばきを披露するデモンストレーションがあり、そのアクションのすばらしさが注目を集めている。
「サークルオブセイバーズ」は、CG制作などを手掛けるPDトウキョウ(東京都千代田区)が開発したゲームで、VRとテレビの撮影で使われるバーチャルスタジオの技術を組み合わせた。台湾のHTC社が開発したヘッドマウントディスプレー「VIVE」に対応する。プレーヤーが剣と盾を持ち、襲ってくるモンスターたちを次々となぎ倒すという内容で、盾で敵の攻撃を防げるのはもちろん、ステップである程度の移動もできる。
剣さばきが話題になっている女性はアクション女優の辻彩加さんで、同作の持つアクションシーンの魅力を知ってもらうために起用された。ゲームショウでは、1時間ごとにブースでデモンストレーションを実施している。
PDトウキョウの谷川高義社長は、普通のVRゲームが、観客の立場から面白みに欠けると指摘。「テレビと同じで、面白い画であることが大事。VRはやる人が楽しいのは当たり前で、ファミコンのときのように観客も楽しめないといけない」と話した。ゴールデンウイーク後から開発に着手して作り上げ、7月の開催されたVRゲームのイベント「ユニティVRエキスポアキバ」で披露し、「グッドコンテンツアワード」の1位になった。
PDトウキョウのブースでは、ゲームのプレーに見入る観客が続出し、見事にボスを撃破すると観客から拍手が送られるなど盛り上がっている。「サークルオブセイバーズ」の商品化について現在検討中としているが、既に中国や日本の企業から問い合わせが来ているという。
東京ゲームショウは、毎秋開催されるゲームの展示会で、今年で26回目。過去最多だった2015年の480社を大幅に上回る614社が出展し、うち海外企業は345社と半数以上を占めた。年末商戦の売り込みを狙った最新ゲームなども1500タイトル以上が展示され、タレントや声優らが出演するステージイベントなども開かれる。18日までで、入場券は一般(中学生以上)1200円(前売り1000円)、小学生以下は無料。