俳優の役所広司さん主演の映画「すばらしき世界」(西川美和監督)でテレビプロデューサーを演じた長澤まさみさんが登場するメーキング映像と本編映像が2月12日、公開された。
映画は、西川監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説を基に、その舞台を約35年後の現代に置きかえて脚本・映画化に挑んだ。下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上(役所さん)は、こわもての見た目に反して、優しくて真っすぐすぎて困っている人を放っておけない男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だった。一度社会のレールを外れるも何とか再生しようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田(仲野太賀さん)と吉澤(長澤さん)がすり寄り、ネタにしようともくろむが……というストーリー。
長澤さんが演じるのは、若手テレビマンの津乃田に13年ぶりに出所した三上正夫を番組のネタにしようと画策するやり手のテレビプロデューサー・吉澤役。メーキング映像では、「役所さんと共演できる機会が、まさかあるとは思わなかったから……うれしかったです」と緊張しながら臨んだ撮影について、西川監督に本音をポロリ。また、「絶大なる信頼が太賀くんにはあるから。それで(吉澤という役が)できるかなと思えた。いなかったらできなかったかも」と仲野さんについても語っている。
今回公開された本編映像は、吉澤が暗がりの部屋で、津乃田が撮ってきた密着映像の一部を真剣に見つめる。極道の世界に身を置き再犯を重ねてきた三上に対して、津乃田は「悪いことしてるって感覚ないんですか?」と質問。すると一拍置く様子もなく「ないねえ。あんたも、誰かが褒めてくれる場所におりたかろう?」と答える。吉澤は、そんな三上の姿を見つめ、「もう最高じゃん」と不敵な笑みを浮かべ、意味ありげに津乃田の膝にそっと手を置く。津乃田は吉澤のそんな行動に困惑し……というシーン。