歌舞伎俳優の中村獅童さんが13日、東京都内で行われた「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’16/第22回AMDアワード」の授賞式に出席。歌舞伎とバーチャルな世界を融合させた「超歌舞伎 今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」が「大賞/総務大臣賞」に選ばれた中村さんは、新たな挑戦の裏に、亡き十八代目中村勘三郎さんからの言葉があったことを明かした。
同作で主演を務めた獅童さんは「歌舞伎を見たことのない若者に何とか歌舞伎を見てもらいたいと、チャレンジさせていただいた」と振り返った上で、「亡くなった勘三郎兄さんに『お前は歌舞伎を見たことのない若者を振り向かすことができる男なんだよ』と15年前に言われた」と明かし、「その言葉を胸に、これからも日本のみならず、海外の人たちにも歌舞伎を広げていけるよう日々精進していきたい」と改めて気を引き締めていた。
「超歌舞伎 今昔饗宴千本桜」は、インターネット動画配信サイト「ニコニコ動画」(ニコ動)の大規模イベント「ニコニコ超会議2016」で上演。新作歌舞伎として史上初めてインターネットで生配信され、累計16万人以上が視聴。獅童さんは歌声合成ソフトから誕生した人気キャラクター・初音ミクと舞台上で共演を果たした。
獅童さんは「初音ミクさんは芸達者で助けられた。ご一緒させていただいて緊張しました」とコメント。「歌舞伎を見たことのない方たちに歌舞伎を見ていただきたい気持ちが強い。これからもそういう活動をしていきたい。それが私の使命だと思うので」とも語っていた。
「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー」は、優れたデジタルコンテンツを表彰する賞で、毎年1月1日~12月31日に国内で発売・発表されたデジタルメディアで表現されたコンテンツやサービスを対象に優れた作品を年間コンテンツ賞「優秀賞」として選出し、優秀賞の中から大賞とAMD理事長賞を決定する。
「AMD理事長賞」は、ピコ太郎さんの大ヒットソング「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が受賞した。