SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
戦争の傷が色濃く残る昭和30年代を舞台に、少年たちの友情と絆(きずな)をドラマチックに描いたマンガ「RAINBOW 二舎六房の七人」(小学館)が4月から、日本テレビでアニメ化され、話題を集めている。過激な描写から映像化不可能と言われた名作が満を持しての登場だ。
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■安部譲二さん原作、小学館漫画賞受賞の名作
「RAINBOW」は、刑務所を舞台にした小説「塀の中の懲りない面々」の安部譲二さん原作、柿崎正澄さん画で02年~10年1月、「ヤングサンデー」(小学館)で連載(同誌休刊後は「ビックコミックスピリッツ」)されたマンガ。第51回小学館漫画賞を受賞し、コミックスは全22巻で累計330万部を突破した。
戦後の混乱が続く1955(昭和30)年、暴行や窃盗などの罪を犯した「マリオ」こと水上真理雄ら6人の少年たちは、湘南特別少年院の「二舎六房」で、出所間近の「アンチャン」こと桜木六郎太に出会う。過酷な現実に失望していたマリオたちだったが、出所してボクシングの世界チャンピオンになるという強い思いを持ったアンチャンの姿を目の当たりにし、再び生きる希望を抱くようになる。しかし、アンチャンにある事件の真相を知られていた看守の石原と医師の佐々木は、事件を隠ぺいするため、アンチャンの出所を阻み、闇に葬ろうと、次々に卑劣なわなを仕掛ける。果たしてアンチャンは無事出所できるのか、そして6人の運命は……というストーリーだ。
■過激シーンの向こう側
「RAINBOW」の見どころは、看守らから非道な扱いを受け、地獄のような日々を送りながらも、決して揺るがぬ友情と堅い絆(きずな)に結ばれたマリオたちの姿だ。大人たちが起こした戦争のせいで、心に傷を負って犯罪に手を染め、入所時にも屈辱的な仕打ちを受け、人を信じられなくなっていたマリオたちは、年長者のアンチャンにけんかをしかける。ところがアンチャンは、圧倒的な力で6人をたたきのめすが、その後で隠していたタバコを回してくれる……という序盤のエピソードは、地獄の底で“頼れる男”に出会ったマリオたちの喜びを見事に描いている。その後も、絶望的な逆境の中でも友情を信じて希望を捨てない男たちのエピソードが繰り広げられ、胸が熱くなる。
「デスノート」「カイジ」「君に届け」など数々の名作をアニメ化してきた日本テレビの中谷敏夫プロデューサーが「RAINBOW」に出会ったのは06年だった。「読んだ瞬間に魂がふるえた」という中谷プロデューサーは、すぐにアニメ化を考えたが、暴力シーンなどの過激な描写がネックとなった。暴力シーンをカットするという選択肢もあったが、「テレビは事なかれ主義に走るべきではない。過激なシーンの向こう側にある『人は何のために生きるのか』というポジティブなメッセージを伝えよう」と考え、地上波で表現できる範囲を念入りに検討しながら、アニメ化を進めたという。一時は企画自体が頓挫しかけたこともあったが、数年に渡る調整の上、ようやくアニメ化が実現した。
■豪華声優陣が夢の共演
そして、個性的なキャラクターたちを演じるキャストにも心を砕いた。「現在を生きる若者の代表」として人気俳優の小栗旬さんを主人公マリオ役に起用。ドラマや映画で多忙を極める小栗さんへのオファーだけに、ナレーションだけでもという気持ちだったというが、以前から「涙なしでは読めない」というほどの原作のファンで、アニメ化の一報をコミックスの帯で知り、「いつから始まるんだろう」と期待していた小栗さんが快諾。「若い声を意識して演じるのが難しい」としていたが、収録に立ち会った安部さんが「マリオのイメージにぴったり」と太鼓判を押すほどの出来だ。
他のキャストも、アンチャンを米ドラマ「24」のジャック・バウアー役の小山力也さん、商売上手でムードメーカーの「スッポン」をアニメ「鋼の錬金術師」の朴ロ美さん、兵隊になるという夢を持つ「ヘイタイ」をゲーム「龍が如く」の黒田崇矢さん、さまざまな作戦を思いつく「バレモト」を「クレヨンしんちゃん」の藤原啓治さんと実力派をそろえた。また、「新世紀エヴァンゲリオン」の林原めぐみさんがアニメのナレーションに初挑戦している。さらに、女優の貫地谷しほりさんが、アンチャンの恋人で、マリオも思いを寄せる看護師の節子役、ドラマ「ごくせん」などで人気の俳優、脇知弘さんが心やさしい大男の「キャベツ」を、ドラマ「1リットルの涙」などに出演した若手俳優の羽染達也さんが、歌手を目指す二枚目の「ジョー」をそれぞれ演じている。
中谷プロデューサーは「DVDではなく、テレビだからこそやるべき作品。夢を見たくても見てはいけない時代に、それを打ち破る若者の姿を、現代の若者にも見てほしい」と語り、「(前に放送した)『君に届け』のキャラクターと同じ10代の若者が主人公だが、時代によるギャップを感じてほしい。賛否両論あると思うが、ポジティブなメッセージをお届けできている」と自信を見せる。時代を超えた愛と友情の骨太ドラマに注目だ。
4月6日から日本テレビで毎週火曜日深夜0時59分放送
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2024年12月24日 04:00時点
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