オンラインゲーム:期待に応え「M2」2年ぶり復活 注目される“リサイクル”

ファンの声で復活した「M2」(C)2009-2010 Sankando Corporation. All Rights Reserved.(C)2002-2010 InterServ International Inc. All Rights Reserved.
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ファンの声で復活した「M2」(C)2009-2010 Sankando Corporation. All Rights Reserved.(C)2002-2010 InterServ International Inc. All Rights Reserved.

 08年にサービスが終了したPC用オンラインゲーム「M2」が、ユーザーの要望に応える形で、運営会社を変更して復活。25日に正式サービスをスタートさせた。オンラインゲームの開発・運営を手がける「Sankando」(東京都新宿区)による、一度終了したオンラインゲームの“リサイクル”ともいえる新サービスだ。

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 「M2」は、ガイアックスが「M2~神甲演義~」というタイトルで、04年に日本でのサービスを開始した3Dタイプの多人数参加型(MMO)RPG。低スペックのPCでも遊べる手軽さが特徴だったが、運営が「UTDエンターテインメント」に移行され、08年2月にサービスが終了した。

 一度ソフトを購入すれば、半永久的に遊べるパッケージゲームと異なり、運営会社のサーバーでデータを管理するオンラインゲームは、なんらかの理由で運営会社がサービスを終了した場合、遊ぶことができなくなる。また、オンラインゲームでは、他のプレーヤーとコミュニケーションを取りながらゲームを進めていくが、サービスが終了してしまうと、ゲームを通してできたプレーヤー間のつながりもなくなってしまう。

 「M2」は、サービス終了後も、復活を望む熱心なユーザーがネット上で署名を集めるなど、再開を期待する声が根強かった。そこで、Sankandoが、開発した台湾の「InterServ」と日本国内での開発と運営に関する契約を結び「復活」が決まった。かつて「M2」のサービスにも携わっていたSankandoの長谷川友也副社長は「『M2』は日本のオンラインゲームの草創期にスタートしたタイトルで、初めてのオンラインゲームが『M2』というユーザーも多く、愛着や思い入れも強かったのでしょう」と分析している。

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 再開にあたっては「一から復活させる」という意味を込めて「リバース(再誕)」をテーマに掲げた。人気RPG「テイルズ オブ ヴェスペリア」などを手がけた槐義將さんを招へいし、さまざまな不具合やバランスの調整を行った。槐さんは「最初は問題点だらけでよくこれで動いていたなと思いました」と振り返る。

 5月には、参加者を限定した形でのテストサービス「アルファテスト」を実施した。長谷川副社長は「従来のオンラインゲームだと、苦情や不満も多いのですが、『M2』は、復活してくれたという喜びが大きいのか建設的な意見が多い。ユーザーも今度は成功してほしいと思っているんです」と驚いている。一緒に遊んだ仲間が次々とゲームをやめていく寂しい経験をしたユーザーも多かったため、新規ユーザーの取り込みや集客プランなどをアドバイスしてくれることもあったという。

 それまでパッケージゲームの開発を手がけてきた槐さんにとってもユーザーの声は驚きだった。「パッケージゲームは、一つのタイトルを発売したら次のタイトルと、本当にユーザーのことをみることができているのか不安を感じていた。でもオンラインゲームではユーザーの声がダイレクトに伝わるし、どの声もすごくテンションが高い。そして何よりも、受け取った声に対して、僕たちが答えをゲームで返すことができるのがうれしいんです」と語る。

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 また、“復活”にはビジネス的な面でのメリットもある。一度サービスを行っていたという経緯があるため、すでに日本語化などの基本的な作業は終了しており、開発コストが安く抑えられる。さらにオンラインゲームはスタート時にどれだけユーザーに認知してもらえるかが成功の大きなカギを握るが、「M2」は前回のユーザーがいるため、認知度も上がった状態で運営をスタートさせることができる。前回のユーザーが復帰し、自発的に新規ユーザーを勧誘する可能性もあるのだ。

 「『M2』も元々はあきらめていたタイトルだったが、こうして復活できた。オンラインゲームは新しければいいというものではないのかなと感じた」と長谷川副社長は語る。同社には他のゲームの復活を希望する声も寄せられているといい、今後の展開にも注目だ。(毎日新聞デジタル)

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