ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女 」。7月から配信され、これまでに20万ダウンロード突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第1回は、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」だ。
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冬の訪れを感じる季節ですが、皆さんいかがお過ごしですか?
はじめまして、乙葉しおり、高校2年生です。
今回から始まったこのコーナーでは、私、乙葉しおりが大好きな「朗読」について、私が朗読を始めるきっかけとなったエピソードや、身近で体験した出来事など、さまざまな話題を皆さんにお届けしたいと思います。
なにぶんこういうことは初めての経験で、粗相をしてしまうこともあるかもしれませんが、どうかよろしくお付き合いください。
……あの、ちゃんとごあいさつ、できていたでしょうか?
ちょっと硬すぎたでしょうか? つまらなくなっていたらごめんなさい。(>_<)
実は私、とってもあがり性で、誰かとお話しているときも退屈してないかなって不安になったり、こうして書いている今も手が震えていたりして、何を書いているのか自分でもわからなくなってきちゃったんですけど、とにかくすごくすごくすごーく緊張してますっ。
本当、私なんかが自由にお話できるコーナーをいただけるなんて、とっても光栄です。
今回、何をお話していいのか迷ってしまって、先生やお友達にも相談してみたのですが……、普段の私についてお話をするのが一番良いとのことでした。
でも普段の私って、あがって何かに失敗しちゃったとか、朗読でかんじゃったとか、恥ずかしいことばかりなんですけど、私のお話で、「朗読する」こと、「本を聴く」ことの楽しさを、皆さんにうまくお伝えできたらと思っています。
それでは、私が朗読を始めたきっかけからお話を始めようと思います。
高校に進学した去年の春のこと、私は、クラスで知り合ったお友達に誘われて「朗読倶楽部」っていう、小さな部に入部しました。
ここで、「あがり性の私が、どうして朗読を?」って思われた方もいると思いますが、これには深い訳があって……最初、入部を誘われたのは、「文芸部」だったんです。
私、読書が大好きですから入部を楽しみにしていたんですけど……この文芸部、入部する前に廃部が決まってしまったんです。
こうなったら乗りかかった船というんでしょうか、お友達といっしょに文芸部を存続させるためにがんばったんですが……いろいろあって、気がついたら「文芸部」あらため「朗読倶楽部」になってしまっていたんです。
どうしてそんなことになってしまったのか、それは……次回にお話させていただきますね。
どうでしょうか、楽しんでいただけたでしょうか?
朗読のお話、学校のお話、私の趣味のお話など、これからお話したいことはたくさんあります。
毎回楽しんでいただけるようにがんばりますので、皆さんどうかよろしくおねがいしますねっ(^−^)
えっと、締めのご挨拶をしたばかりですが、実はまだ終わってませんでした!
すみません……(>_<)
このコーナーでは私、乙葉しおりが朗読倶楽部で朗読した本について、いろいろなお話をさせていただきます。
みなさんが元の本に少しでも興味を持っていただけたら、とってもうれしいです。
それでは初めてのご紹介となる一冊は、私の大好きな作品、宮沢賢治さんの「銀河鉄道の夜」について。
ジョバンニ少年は、学校に通いながらも、朝と放課後にはアルバイトをこなし、漁に出たまま帰ってこないお父さんの代わりに、病気のお母さんを支える、とてもすごい人です。
でも、その境遇や仕事疲れが元で周りの人たちにからかわれることも少なくなく、クラスのみんなが星祭りのお話に花を咲かせていても、その輪に混ざれないまま仕事へ向かうような日々。
どこにも自分の居場所がなく、親友のカムパネルラとも疎遠になり、孤独に悲しむ星祭りの夜。
そのとき、満天の星の中からジョバンニの目の前に、「銀河鉄道」が姿を現しました。
こうして、同じ列車に乗っていたカムパネルラと共に、自分にとって、みんなにとっての「ほんとうのさいわい」とは何かを探す、ジョバンニの心の旅が始まるのです……。
実はこのお話、宮沢賢治さんが完成させる前に亡くなられてしまって、原稿が推敲途中のままで発表されているんです。
原稿は大きく分けて3回改訂されていて、大筋は同じなんですけど、お話の中にブルカニロ博士が登場するかどうかで、大きく意味が変わってきます。
現在は博士の登場しない最終版が広く知られていますが、博士の登場する方がどんな内容なのか……もし興味をもたれたら、ぜひ、調べてみてください。
私はやっぱり最終版が好きですけど、「ほんとうのさいわいとは何か?」を、分かりやすく説明してくれる改訂前のお話も、捨てがたい良さがあるなあって、思っていたりします……。
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