すべてのアクションがノーワイヤー、ノーCG、ノースタントという映画「KG カラテガール」(木村好克監督)に主演したアクション女優・武田梨奈さんが、公開前にインタビューに応じた。パンチやキックを本当に相手の体や顔面に当てるという実闘空手アクションでは、相手はもちろん、武田さん自身もダメージは避けられない。「傷だらけでした」と笑う武田さんに、撮影の裏側を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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映画は、世界最強と言われた伝説の空手家・紅宗次郎の家系に生まれた紅彩夏(くれない・あやか、武田さん)は、幼いころに伝説の黒帯を狙う謎の集団に襲われ、目の前で父を殺されて妹を奪われた。時はたち、彩夏は本名も紅空手の継承者であることも隠し、普通の女子高生として横浜で暮らしていたが、ある出来事をきっかけに離ればなれになった妹と運命的に再会し、謎の集団によって殺人マシンとして育てられていた妹を取り戻すため、たった一人で悪の地下組織に乗り込む……というストーリー。
前作「ハイキック・ガール」に続き、2度目の主演映画に、武田さんは「緊張というより、前回をどう上回ろうかという責任感を感じています。」と真剣な面持ちで語った。役柄については、「前回は戦うのが大好きな子でがむしゃらにやっていたんですが、今回は戦いたくないという気持ちの女の子が主人公で妹のためだけに戦う。前回と違うのは、いろんな思いがこもっている」と演技の難しさを明かした。
アクションについて、武田さんは西冬彦アクション監督から面白い技や必殺技を考えるという宿題があったといい、「アクション映画のDVDでまねできるものをたくさん勉強しました。みんなで考えた技は全部で150個くらい」と話し、「ブリッジしてそのままパンチを出す技があるんですが、私のはそれだけ採用されました」とうれしそうに語った。
撮影中のハプニングを聞くと、武田さんは日本空手協会のトップ選手でもあるリチャード・ウィリアム・ヘセルトンさんとのリハーサル中に「パンチがみぞおちに入った時、本当に動けなくなってしまった。それからちょっと恐怖心がついちゃいましたね」と笑顔で話した。また「ヌンチャクで闘うシーンがあるんですが、私の技が相手の目に当たってしまって、救急車が出てしまいました。撮影が中断になってしまって申し訳なかった」と過酷な撮影風景を明かした。
あこがれのスターを聞くと、武田さんは「ジャッキー・チェンさん。アクションのアイディアを自分から世界を作り出しているところに尊敬します。戦ってみたいのもジャッキー。対戦でも、師匠と弟子みたいな感じでもいい」と目を輝かせた。今後チャレンジしたい役を聞くと「役者になりたいと思い始めたきっかけが、『3年B組金八先生』」と語り、「学園ドラマだったらか弱い役もやってみたい。アクション映画なら、コミカルなものをやってみたいです」と次回作に思いをはせていた。
映画は5日、新宿バルト9(東京都新宿区)などでロードショー。(毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
1991年6月15日生まれ、神奈川県出身。10歳の時に父親が空手大会で負けるのを見て「お父さんの敵をとる」と空手道場に入門。空手歴は9年で琉球少林流空手道の黒帯(二段)。09年に映画「ハイキック・ガール」で主演デビュー。日本国内だけでなく、世界的にアクション女優として注目されている。特技はヌンチャク。
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