「第65回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の表彰式が8日、川崎市幸区のミューザ川崎シンフォニーホールで開かれ、最高賞の「日本映画大賞」に選ばれた「悪人」の李相日監督は、「役者を追い込み、全員でつかみ取った作品。キャスト、スタッフみんなで喜びたい」と受賞の喜びを語った。
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「キャタピラー」(若松孝二監督)での受賞となった寺島さんは「伝統のある賞をいただいて、うれしいし自信になる。若松監督のように激動の人生は送れないかもしれないが、これからも情熱をもって取り組みたい」と喜びを語った。式場には女優主演賞の寺島しのぶさん、男優主演賞の堤真一さん、女優助演賞の夏川結衣さん、男優助演賞の稲垣吾郎さんら受賞者が一堂に会した。
映画「孤高のメス」(成島出監督)からは、男優主演賞の堤さん、女優助演賞の夏川さんと2人が受賞。夏川さんは「監督と俳優、スタッフが同じ方向を向いてできた作品。このようなすばらしい賞をいただけて、みなさんに本当に感謝しています」とあいさつ。堤さんは「映画というものに、もっともっと深く愛情を持って、もっともっと強く関わっていきたい」と決意を述べた。
映画「十三人の刺客」で極悪非道な藩主を演じ、男優助演賞を獲得した稲垣吾郎さんは「感激しています。こういった賞をもらったことが無かったので、神様からの贈り物というか、夢みたいです」と満面の笑み。会場からは「吾郎ちゃーん!」「おめでとう!」とひときわ大きな拍手と歓声が上がっていた。
「田中絹代賞」の江波杏子さんは、昨年の受賞者・高橋恵子さんからトロフィーを手渡され、「大映の研究生のころ、初めての撮影現場の監督が田中絹代さんだったことを受賞を機に思い出しました。このような賞をいただき本当に光栄です」としみじみ喜びをかみ締めていた。
表彰式には、「スポニチグランプリ新人賞」に選ばれた「イエローキッド」の遠藤要さん、日本映画優秀賞の「春との旅」からは小林政広監督と徳永えりさん、「十三人の刺客」で監督賞を受賞した三池崇史監督らも出席した。(毎日新聞デジタル)
各賞の受賞作品などは次の通り。(敬称略)
日本映画大賞:悪人(李相日監督)▼日本映画優秀賞:春との旅(小林政広監督作品)▼監督賞:三池崇史(十三人の刺客)▼男優主演賞:堤真一(孤高のメス)▼女優主演賞:寺島しのぶ(キャタピラー)▼田中絹代賞:江波杏子▼外国映画ベストワン賞:「息もできない」▼脚本賞:佐藤有記(ヘヴンズ ストーリー)▼男優助演賞:稲垣吾郎(十三人の刺客)▼女優助演賞:夏川結衣(孤高のメス)▼スポニチグランプリ新人賞:遠藤要(イエローキッド)、徳永えり(春との旅)▼撮影賞:近藤龍人(海炭市叙景)▼美術賞:近藤成之(武士の家計簿)▼音楽賞:ジム・オルーク(海炭市叙景)▼録音賞:中村淳(十三人の刺客)▼技術賞:該当なし▼ドキュメンタリー映画賞:該当なし▼アニメーション映画賞:「カラフル」▼大藤信郎賞:該当なし▼TSUTAYA映画ファン賞:日本映画部門「THE LAST MESSAGE 海猿」▼同外国映画部門:「エクリプス/トワイライト・サーガ」▼特別賞:故・高峰秀子
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