話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、完璧なお嬢様のヒロインと、ひょんなことから彼女の秘密を知ってしまった主人公のラブコメディー「乃木坂春香の秘密」（五十嵐雄策著、しゃあ画）です。アスキー・メディアワークス電撃文庫編集部の和田敦さんに作品の魅力を聞きました。

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　−−この作品の魅力は？

　この作品の魅力は、なんといってもヒロインの乃木坂春香の可愛さだと思います。“お嬢様のシークレット・ラブコメ”というキャッチの通り、春香には“アキバ系なものが好き”という秘密があります。そして、純粋培養のお嬢様である春香は恋愛の経験なども全くないので、自分の趣味を肯定してくれた裕人にひかれていきつつも、もどかしいほどゆっくりとお互いの気持ちを確かめていきます。時にあわてふためいたり、時に耳年増の妹の教えを信じて迫ってみたりと、そんな2人の初々しさも見どころの一つです。

　−−作品が生まれたきっかけは？

　容姿端麗、才色兼備でまさに深窓のお嬢様という言葉がぴったりの学園のアイドルが、実はアキバ系だとしたら……というコンセプトからこの作品が始まりました。著者である五十嵐さんの女の子や恋愛に対する夢が全て詰まっているといいますか、「好きな女の子が自分たちと同じ趣味だとしたら最高だな～」という思いをかなえたかったといいますか……。そういう意味でも、アキバ系が趣味なヒロインの試金石になった作品だと思います。

　−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか？

　著者の五十嵐さんは空気のようにラブコメを書く作家です。でも、ヒロインや彼女たちに主人公が絡むシーンでも、しっかりと男女の感情の流れに気を使って書き進めるので、まさに天性のラブコメ作家という印象を持ちました。そして、しゃあさんが描く女の子はみんな可愛くえっちです！ 当初からコミックマーケットでも人気の絵師でしたし、何よりもアキバ系が大好きなので、ちょこちょことしゃあさん発信のネタも作品内に入ってます。

　−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

　2回のTVアニメ化はもちろんですが、ドラマCDやコミックなどなど、幅広くメディアミックス展開が実現していきました。乃木坂春香関連のライブなども行われて、そこは著者ともどもうれしく思っているところです。その夢の実現に向けて著者も絵師も編集も頑張ったからこそ楽しく広がったのですが、逆にそこに向けて走り続ける時が大変だったともいえるかと思います。

　−−今後の展開、読者へ一言お願いします。

　「乃木坂春香」シリーズもいよいよ佳境を迎えています。サブヒロインたちのさまざまな思いを乗り越えて、春香と裕人の2人はどうなってしまうのか……。きっとここまで応援してくれた読者の皆さんを裏切らないとは思いますが、最後の最後まで2人の恋愛模様を楽しんでいただければと思います。そして読み終わった後に、ほっこりとした気持ちになってくれたら幸いです。

　アスキー・メディアワークス 電撃文庫編集部 和田敦