女優で歌手のジェーン・バーキンさんが6日、東日本大震災の復興支援コンサートを開くため、フランスから緊急来日した。会見で、バーキンさんは「子供たちからも友人からも日本に行くのを止められました。津波や地震ではなく、原子力をみんな怖がっている。パリの人々は、みんな、『日本には最大限の危険が待ちかまえている』と思っていました。正直言いまして、東京でどういう状況が待っているのか分かりませんでした」とフランスでの見方を明かし、「何もせずにフランスにいるのがつらかったので、今日ここにいられることをうれしく思います」と笑顔を見せた。
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英国出身のバーキンさんは、68年に渡仏し、映画「スローガン」で共演したアーティストのセルジュ・ゲンスブールさんと結婚。69年に発表した2人のデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」が各国で放送禁止になるなど話題を呼び、女優、歌手として人気を集めた。99年にTBS系のドラマ主題歌に「無造作紳士」が起用され、04年には井上陽水さんがバーキンさんのアルバムに参加するなど日本でも再び注目された。
桜の咲く季節に初めて日本を訪れたというバーキンさんは、桜の枝を携えて登場し、「日本の被災地のみなさんが助け合っている精神に、世界中が感動しました。知られていなかった日本の姿を見せたと思います。桜のような安らぎが、早く日本に訪れますように」と思いを語った。
バーキンさんは同日午後7時から、抽選で300組600人を招待し、渋谷クラブクアトロ(東京都渋谷区)で、チャリティーコンサート「Together for Japan」を開く。バーキンさんのほか、タレントの篠原ともえさんや女優の寺島しのぶさんらも参加し、音楽や朗読、ダンスパフォーマンスを展開する。コンサートの模様は、動画配信サイトUSTREAMを通じて全世界に生配信される予定。会場で受け付けた義援金は「Medecins du Monde(世界の医療団)」を通じて、被災地復興のために寄付される。
バーキンさんは「避難所の人々のために、いったい私が何ができるんだろうと思いました。私は日本に来て、みなさんに直接愛しているというメッセージを届けることができた」と語り、コンサートについては「日本のみなさんにはたくさんのことを与えていただきましたので、コンサートをすることは私にできる最低限のことだと思います。日本の友人たちとと数時間でも歌って、少しでもつらいことを忘れられればと思います」と思いを語っていた。