斎藤佑樹：「持ってる男」は今期何勝？ 最新ゲームで占うペナントレース

　斎藤佑樹投手（日本ハム）を筆頭に、ドラフト会議で6球団が競合した大石達也投手（西武）、157キロの剛速球を持つ沢村拓一投手（巨人）、センバツで優勝経験を持つ福井優也投手（広島）ら注目のルーキーがそろう今年のプロ野球。11年の開幕データを取り込んだ最新ゲーム「プロ野球スピリッツ2011」（コナミデジタルエンタテインメント）でシミュレーションして、今年の球界を占った。（毎日新聞デジタル）

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　「プロ野球スピリッツ2011」（発売中）は、顔やフォームはもちろん、能力のデータも過去の成績などから割り出した本物そっくりの選手たちが活躍する野球ゲームだ。球場の空気感まで伝わるPS3、持ち運べるPSP、裸眼3Dの臨場感があるニンテンドー3DSという見た目などにやや違いはあるが、中身はほぼ一緒。一人の選手になりきってプレーすることも、監督として采配を振るのも可能だ。今回は、全試合を戦い抜く20年間遊べるモード「ペナントレース」（どの機種にも搭載）で日本ハムを選び、選手の自主性に任せるというスタイルだ。（以下、選手敬称略）

　◇ゲームでも「持っている男」

　日本ハムの先発ローテは、絶対的エースのダルビッシュと、昨年チームトップの14勝を挙げた武田勝が柱となる。斎藤佑は先発の6番手に名を連ねてローテ入りした。

　そして6試合目のオリックス戦でデビューを飾ったが、プロの世界は甘くない。いきなり安打を打たれ、1死二塁から後藤にタイムリー二塁打を浴びて失点。4回表には糸井の一発で追いついたがその直後の五回に再びタイムリーヒットを打たれ、六回でマウンドを降りた。だがゲームの中でも「持っている男」は違う。七回に中田翔が逆転2ランを放って、斎藤佑の黒星は消滅、チームもそのまま逃げ切って勝利した。初登板の内容は、六回2失点、奪三振7、被安打5、四死球3という内容。102球を投げて真ん中への失投が1球もなかった。

　そして登板2試合目で初勝利を挙げると、先発投手の“合格点”と言われる「クオリティー・スタート」（6回を自責点3以内で切り抜けること）で試合を作り、先発ローテーションに定着。前半戦は5勝3敗で、結果は出した。だが6月の後半で何度か大量失点をする試合があったためか、防御率は5.07とやや伸び悩んだ。

　そして後半戦に入ると、日本ハムの打線が極度の打撃不振に陥る。そのため斎藤佑は試合を作るが援護に恵まれず負け続け、さらに8月にケガで戦線を離脱した。結果は、防御率は4.46と上向いたが6勝7敗で終わった。斎藤佑の離脱に合わせるかのように、日本ハムは最大14あった貯金を使い果たして一時は4位に転落したが、最後に何とか3位へ滑り込み、クライマックスシリーズに進出した。

　◇マー君との対決

　クライマックスシリーズは2位の東北楽天との対決になった。初戦はシーズンでフル回転して疲労が蓄積したダルビッシュではなく武田勝が登板。岩隈との投手戦となったが競り負け3対4で敗れて後がなくなった。そして2戦目は、ケガから復帰した斎藤佑と、田中将大との対決が実現した。久々の登板にも斎藤佑は七回2失点で試合を作ったが、打線は田中にねじ伏せられ1安打で完封された上、八回に中継ぎ投手がトドメの3ランを打たれ、幕を下ろした。

　だが斎藤佑は、球速や変化球のキレがアップするなどして、先発投手の3本目の柱として成長した。シミュレーションをして気付いたのは、試合を壊さない安定感。圧巻の投球で完封するわけではないが、六回を3失点以内で切り抜けるため、援護に恵まれていればもっと勝ち星が伸びただろう。

　他のゴールデンルーキーは、中継ぎなどで起用された。最も活躍したのは大石で7勝3敗の防御率2.29。福井も3勝2敗防御率3.32と、1年にわたりフルに活躍した。やや伸び悩んだのが巨人の沢村。前半戦は防御率7.59だったが、終盤に抑えに定着して7セーブを記録し、最後までもつれた巨人のセ・リーグ優勝に貢献した。パ・リーグの優勝はソフトバンクで、そのまま巨人を降して日本一に輝いた。ちなみに最多勝はセが前田健太、パがダルビッシュ。いずれも貫禄の16勝、防御率も2点台と圧倒的な存在感を示した。