えんぶれっ!:マンガ化決定の人気携帯ゲーム 女性開発者が制作した恋愛ゲームの魅力とは

「えんぶれっ! -emblem master-」のビジュアル(C)HighReso
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「えんぶれっ! -emblem master-」のビジュアル(C)HighReso

 携帯電話向けの美少女育成シミュレーションゲーム「えんぶれっ! -emblem master-」(http://embl.jp/)が本格サービスから数カ月で2万5000人の会員を集めるなど好評だ。企画・制作を手掛けたのはコンテンツ配信会社「ハイレゾ」(東京都新宿区)の橋立幸子プロデューサー。ゲームはアイテム収集や対戦の要素を詰め込んだほか、「俺の嫁」をテーマに掲げるなど女性クリエーターならではの視点も生かされており、開発の経緯を聞いた。

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 ◇「ハーレムエンドは嫌い」

 「えんぶれっ!」は、青年(プレーヤー)が異世界に飛ばされ、そこで出会った少女と共に旅をして、どんな願いもかなえられる「紋章」を探すシミュレーションゲーム。他のプレーヤーと対戦し、その戦いに勝つことで紋章が手に入る仕組みで、その紋章を集めていくことでヒロインとの仲が深まり、“ごほうび”のイベントCGも見られる……という内容だ。基本料無料のアイテム課金制で、ドコモ、ソフトバンク、auの3キャリアに対応している。

 手掛けたのは、家庭用ゲーム機向けソフトを制作した実績を持つ橋立さんだ。携帯電話ゲームで流行している対戦ゲーム開発の命令を受けた橋立さんは、かねて作りたいと考えていた恋愛ゲームの要素を取り込もうとした。お姉さんキャラクター、年下、同級生をそれぞれ2人ずつにし、天然キャラ、元気でまじめ系……と性格を分けた。そんな中、橋立さんがこだわったのは、1回のゲームで口説けるキャラは1人ということ。「周囲からはいろいろ言われましたけど、私はハーレムエンドが嫌いなんです。やはり『嫁は1人』です」と笑う。

 ◇ヒロインの姿にキュン

 そして橋立さんがもう一つこだわったことがある。それは手軽ながら白熱する対戦ゲームの楽しさだ。「えんぶれっ!」では、「欲しいアイテム」か「戦いたい職業」でサーチし、条件に合った人同士で対戦するが、チャットや書き込みなどはなくコミュニティー要素を排除している。橋立さんは「ゲームが好きだけど、(対戦に熱中するために)チャットなどを避けたい人もいると思うんです。そしてゲーム性が低いとゲーム好きの人は飽きるので戦闘システムはしっかりさせたかった。他の携帯ゲームがないところを目指しました」と話す。

 さらに人気を支えるのは、ヒロインとの触れ合いを描いたイベントのCGイラストだ。イラストレーターの「はんじゅくいぬ(白狼)」さん、中曽根ハイジさんをメーンで起用しており、今後はマンガ家の吉川英朗さんなどのイラストも追加される予定だ。イラストでは、主人公にモノを渡すときも素直になれず恥ずかしそうな仕草をしたり、食事を取る主人公をじっと見るヒロインの姿が描かれており、キュンと来るシーンも多い。そのためか、ユーザーもゲームをクリアすれば別のヒロインとでも遊べるにもかかわらず、同じヒロインで繰り返し遊ぶ人もいるという。まさに「俺の嫁」だ。

 ◇マンガ連載決定 新ヒロインも追加

 サービスから数カ月しかたってない「えんぶれっ!」だが、月刊マンガ誌「コミックREX」(一迅社)でマンガが連載される予定だ。ゲームのヒロイン6人に加えオリジナルヒロインが登場し、1年連載の予定で、さらに世界が広がりそうだ。携帯ポータルサイトの「GREE(グリー)」でも今月サービスをスタートしており、さらにスマートフォン版も8月に投入予定だ。また8月には中国でのサービスが始まる計画で、世界進出も狙う。

 本編ゲームでも、イベントCGを増やすのはもちろん、6月には「ヤンデレ」のヒロインを追加し、年内にさらにもう1人のヒロインを加えるよう現在企画を練っているという。そしてゲームとは別に、待ち受け画面や着ボイスを用意し、アニメ「けいおん!」シリーズの中野梓役などで人気の竹達彩奈さん(魔女役)や、アニメ「マリア様がみてる」のヒロイン・福沢祐巳を演じた植田佳奈さん(アサシン役)を起用する。

 女性クリエーターが手掛ける「俺の嫁」ゲームが、どこまで広がるのか。流行を逆手に取って人気になった携帯ゲームがどこまで人気を集めるか注目だ。

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