「泣けた本ランキング」「読者が選ぶプラチナ本」で1位を獲得した村上たかしさんのマンガを「スープ・オペラ」(10年)などを手がけた瀧本智行監督が映画化した「星守る犬」が11日、公開される。
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北海道のとあるキャンプ場の脇の草むらで、中年男性と見られる白骨遺体と死んで間もない犬の死骸(しがい)が見つかる。遺体の引き取りを依頼された市の職員・奥津京介は、遺体の傍らに打ち捨てられた数枚のレシートを手がかりに、彼らの足取りをたどる旅に出る……という物語。
映画は、「漫画アクション」に連載した同名マンガと、その後日談「日輪草(ひまわりそう)」をミックスした。中年男性の「おとうさん」を西田敏行さんが演じ、奥津を玉山鉄二さん、ひょんなことから奥津の旅に同行することになる少女を川島海荷さんが演じる。奥津が「おとうさん」と犬の旅路をたどりながら北上していくロードムービーになっており、旅先で「おとうさん」が出会った人々(余貴美子さん、中村獅童さん、温水洋一さん、三浦友和さんら)と奥津との触れ合いが丹念に描かれている。
「星守る犬」には、「手に入らないものをじっと見続ける犬」から転じ、「高望みをしている人」の意味があるという。熟年離婚やリストラ、孤独死といった現代社会が抱える問題が浮き彫りになる内容ではあるが、どこまでも楽観的な「おとうさん」のお陰で悲壮感はない。最後に映し出される映像が、明日への希望を感じさせ、好感が持てる。藤竜也さん、岸本加世子さんも出演。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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