俳優の小栗旬さんが23日、東京・新宿の新宿バルト9で行われた劇団☆新感線による「いのうえ歌舞伎『髑髏(どくろ)城の七人』」の制作発表会見に着流し姿でさっそうと登場。初めて森山未來さんと共演するという小栗さんは「(森山さんは)ストイックなところもあるので怒られるんじゃないかと思っている。今回の舞台で一番怖いのは森山未來に怒られること」と話し、会場を沸かせた。
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涼しそうな着流し姿の小栗さんに対して、一方の森山さんは全身が黒い甲冑(かっちゅう)姿。「密閉されていてすごく暑い」とコメントし、会見中も全身をギシギシいわせながら汗だくで質問に答えていた。また、同劇団作品への出演は今回で3度目となる森山さんは「今回もかかわれて光栄。劇団の半分以上が痛風持ち、ヘルニアで倒れたりとか。そうそうたる先輩たちがいらっしゃるが退いていただいて、若いエネルギーで突っ走りたい」と話し、会場は笑いに包まれた。
「いのうえ歌舞伎」は神話や史実などをモチーフにケレン味を効かせた時代活劇シリーズ。近年ではその持ち味に加え、ドラマ性を重視し、人間の業を浮き彫りにする作風になっている。「髑髏城の七人」は90年の初演以来7年ごとに上演され、今年で4度目の公演となる時代活劇。初演から21年目となる今年は小栗さんはじめ若いキャストが集結した。今までは一人二役だった天魔王と捨之介(すてのすけ)を分けて森山さんと小栗さんがそれぞれ演じる。脚本は初演時から執筆している同劇団付作家の中島かずきさん、演出はいのうえひでのりさんが手掛ける。出演は小栗さん、森山さんのほか仲里依紗さん、小池栄子さん、勝地涼さん、早乙女太一さんといった人気俳優陣に加え、千葉哲也さん、高田聖子さん、粟根まことさん、河野まさとさんらも出演する。
織田信長が本能寺で討たれてから8年、天下は豊臣秀吉の手に握られようとしていた。天魔王(森山さん)率いる関東髑髏党は、秀吉を倒し関東制覇することをたくらみ殺りくを繰り返していた。ある日、髑髏党に襲われている村を助けようとした兵庫(ひょうご・勝地さん)率いる関東八州武者隊は逆に窮地に追い込まれてしまうが、捨之介(すてのすけ・小栗さん)と名乗る若者に救われる。兵庫と捨之介は、うわさに名高い極楽太夫(ごくらくたゆう・小池さん)がいるという関東一の色里「無界の里」を訪れるが、そこにも髑髏党の手が伸びようとしていた……というストーリー。
中島さんは「(同劇団看板俳優の)古田(新太さん)が(太って)横に広がっちゃって『もう主役として限界だな』ということでキャストを一新しました(笑い)」と話し「今回一番手を加えたのは捨之介。人間くさい捨之介にしています」とファンに向かって呼びかけた。小栗さんは「以前から劇団☆新感線の作品に参加したいと思っていた。人気のある作品なのでファンの期待を裏切らないような作品にしたい」と意気込みを語った。会見には小栗さん、森山さん、中島さん、いのうえさんのほか仲さん、小池さん、勝地さん、早乙女さん、高田さんが出席した。
大阪公演は、梅田劇場ホールで8月7日~24日、東京公演は青山劇場で9月5日~10月10日の日程で行われる。(毎日新聞デジタル)