放送中のNHK連続テレビ小説「おひさま」で主演を務める女優の井上真央さん(24)が8日、ドラマの舞台であるロケ地・長野県安曇野市で、ヒロイン・陽子の嫁いだ丸山家の出演者とともに取材会に登場した。井上さんは「そばのお花がとってもきれいに咲いていて、季節を通して長野で撮影できることをうれしく思います。長野の方は作品をよく見てくださっていて、声をかけていただける。撮影もあと2カ月なので、この新しい家族とともに、最後まで頑張っていきたい」と意気込みを語った。
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東日本大震災の被災者を中心に大きな反響があることについて、「やるべきときにこの作品をやれる。せりふの中にも今と重なる言葉がたくさんちりばめられているので、そのメッセージが今だからこそたくさんの人に伝わるんじゃないかなと思います。私は運命のようなものを感じています。作品に参加できて逆に感謝しています」と思いを語った。
「おひさま」は、昭和7(1932)年に病気の母のため、東京から長野県の安曇野に引っ越してきたヒロイン・須藤陽子が、父と2人の兄に囲まれながら、青春や国民学校の教師、妻、母としての日々を生き、“そば”で人々をつないでいく物語。井上さんは、戦前、戦中、戦後を生き、人々をおひさまのような明るい希望で照らす陽子を演じている。
陽子の夫となる老舗そば屋「丸庵」の跡取り息子・和成を演じる高良健吾さんは、待ち望んでいたという初の安曇野ロケに、「ここでしかできない気持ちも、感じられない感情もあるので、ロケというのはいいなと思います。自分自身も長野に来られてすごくうれしいですね」と話し、和成の父親・道夫を演じる串田和美さんは「松本で数年仕事をしていてよく来ていた。この仕事のお話をいただいて、また安曇野や松本でできるんだと思っていたら、実はずっと(東京の)渋谷のセットでした。今回が(撮影に来たのが)初めてなんです」と念願のロケを喜んだ。
撮影初日が震災の3月11日だったという高良さんは「撮影が数日中断していろいろ考えたけれど、僕はこの作品を届けなきゃいけないなと思った」と話し、同じ日に撮影をした串田さんも「ただ生きているだけでこんなに幸せだということを忘れていないか?とこの作品で伝えている。暑かったり寒かったりしたことがそんなに悪いことじゃなかったはずなので、今を乗り切れるんじゃないかと思う」と語った。和成の母親・徳子を演じる樋口可南子さんは「特に被災地の方々にたくさん見ていただいているということなので、陽子に言っている言葉が、さらにもっと多くの人々に届いている気がしてすごく緊張しています。(ドラマでは)一生懸命生きている時代が終わって『次は夢だね』というすごいメッセージを送っているので、私たちもちゃんとそれを伝えたい」と熱く語っていた。
今回の安曇野でのロケは7、8日の2日間。昭和25(1950)年、丸山家の面々が安曇野にある陽子の実家を訪ねる途中でピクニックをするというストーリーで、みんなで夢を語りながら談笑する場面の撮影が報道陣に公開された。ロケ地周辺では地元の協力で作られたそば畑で白い花が満開になっており、猛暑ながら気持ちのいい風の吹く晴天で、笑い声の絶えないロケだった。放送は8月25日の予定。(毎日新聞デジタル)
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