ミュージカル「嵐が丘」が、11日から赤坂ACTシアター(東京都港区)で上演される。エミリー・ブロンテの唯一の長編小説「嵐が丘」を、オリジナルのミュージカル作品にした。主演のヒースクリフは、ロックバンド「LUNA SEA」のボーカルやソロでも活躍、ミステリアスな存在感で人気の河村隆一さん。ヒロインのキャサリン役は、人気声優・平野綾さんと元「モーニング娘。」の安倍なつみさんが日替わりで演じている。平野さんに今回の舞台への意気込みなどを聞いた。(岡部恵里)
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「嵐が丘」の舞台は、イングランド北部のヨークシャー。アーンショウ家の主人は「嵐が丘(Wuthering Heights=風が激しく吹きすさぶ高い丘)」と呼ばれる邸宅に住んでいた。ある日、アーンショウはリバプールへ旅行し、一人の孤児・ヒースクリフを助け、家まで連れて帰ってきた。アーンショウがヒースクリフを可愛がるため、息子のヒンドリーは憎悪していた。一方、娘のキャサリンはヒースクリフとよく遊ぶなど、互いに恋心を抱いていた。しかしキャサリンは、近くに住むリントン家のエドガーから求婚され、受け入れてしまう。ヒースクリフはキャサリンがエドガーを愛していると誤解し、その後姿を消すのだが……という物語。演出は日本劇団協議会の会長を務めている文学座の西川信廣さん。脚本は劇団「自転車キンクリート」の飯島早苗さん。音楽は美しい旋律で日本や韓国で人気の倉本裕基さん。
−−初めての舞台ですね。
原作の「嵐が丘」を読んだのは中学生のとき。でも、なぜ愛が憎しみに変わってしまうのか、なぜキャサリンがエドガーと結婚したのかといった部分が分からなかった。今回、改めて読み返すと理解できました。主演の河村隆一さんと私は17歳違う。河村さんが「へたしたら、早いときの子どもじゃん」って言ってました(笑い)。それぐらい、年の離れている方と激しい愛憎劇を演じるっていうのが、役者でしかできないなと思っていて、すごく楽しいです。歌とお芝居とダンスの三つがやりたくて芸能界に入ったので、自分のやりたいことすべて詰まっているのが、ミュージカルなんです。
−−小さいころから、芸能界に興味が?
2、3歳のころ、住んでいた米国で家族とディズニーワールドに行き、ミニーちゃんが踊っているのを見て、ステージに立ちたいと思って、親に頼んで劇団に入れてもらいました。声優のお仕事に挑戦してみようと思ったのは、小6のころ、ドラマで語りをしたとき、当時のマネジャーから「口調や声が面白いから声優のオーディション受けてみない?」と言われたのがきっかけです。昔からアニメは好きだったので、芸能生活の中で、一度くらい経験できればいいと思っていたものが、まさか本職になるとは思いもよりませんでした。最近、若い声優の方がすごく増えていて、彼らの目標になれたらと思います。
−−平野さんの恋愛観が話題になったことも。
私は、恋愛はどんどんした方がいいと思うんですよ。いろんな人の価値観とかが、恋愛によってわかることも多いので、自分をどんどん深めていくための一つとしてもいいことだと思います。そういうものに、自分が流されてはいけないけれど。
−−平野さんにとってツイッターとは?
ツイッターがはやりだしたとき、「自分はマメじゃないからできない」と思っていたんですよ(笑い)。それがいざやってみると、ファンとの距離が近くて、「今、私はこういうことを思っている」と伝えられるのがすごくいいですよね。
<プロフィル>
ひらの・あや 1987年10月8日、愛知県生まれ。血液型はO型。子役を経て、01年に声優デビュー。06年、アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のヒロイン・涼宮ハルヒ役を熱演し、07年、第1回声優アワードで新人女優賞を受賞。現在までに50作を超えるアニメ作品に出演している。また、出演作品のオープニングテーマ曲を歌うなど、歌手としても活動。11年5月にベストアルバム「AYA MUSEUM」を発売した。今回はミュージカル「嵐が丘」で舞台に初挑戦。ヒロインのキャサリン役を演じる。
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