話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、記憶を失った青年が女子プロレス団体で過ごす日々を描いたあおやぎ孝夫さんのマンガ「ここが噂(うわさ)のエル・パラシオ」です。「ゲッサン(月刊少年サンデー)」(小学館)編集部の村上正直さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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−−この作品の魅力は?
記憶を失った青年が、個性派美女がそろうプロレス団体「エル・パラシオ」に巻き込まれるように同居する“新型女難コメディー”です。“女王様”“恋する女子中学生”“謎のウサギ覆面”“母性ムンムンのお姉様”……といったいろんなタイプの美女たちのお色気も話題ですが、そんな中で、忠輔と名付けられた主人公を巡る三角関係ラブコメディーとして、また、レフェリーとして「エル・パラシオ」の一員となる忠輔の成長物語としても男女問わず楽しんでいただけているようです。
−−作品が生まれたきっかけは?
あおやぎ孝夫先生とは以前、週刊少年サンデーで、「ふぁいとの暁」という“中学バスケ”を題材にした連載のお仕事をさせていただいておりました。そんなことから、09年の「ゲッサン(月刊少年サンデー)」の創刊時に、「スポーツマンガをやりませんか?」と打ち合わせにうかがったのですが、その時「今、“カタチ”にしてみたいネームがあるので、それを一度読んでもらってからでいいですか?」……ということで、上がってきたネームが「ここが噂のエル・パラシオ」です。それから、記憶喪失の設定など将来的な展開を打ち合わせし修正しましたが、ほぼその時のまま第1話になっております。
−−編集者として作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変だったエピソードを教えてください?
第1話、つまりゲッサン創刊号掲載分で、「バニー」というキャラクターが風呂上がりのバスタオルを巻いたのみ……というスタイルで、主人公に跳び蹴りを喰らわせるシーンがあります。雑誌発売後、そのシーンがネット上で少し騒がれまして(笑い)。当然、あおやぎ先生は描いてはいけないものは何も描かず、モザイク柄のトーンを貼っていたのですが、その上に「!?」という写植文字を載せたことで逆に、何か描かれているように見えたようで……。僕はネット上の騒ぎに気づかずにいたのですが、あおやぎ先生の方から「編集部や他の先生にご迷惑をかけていませんか!?」と血の気が引いたような電話が(笑い)。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
この秋からテレビ東京系列でドラマ化が決定いたしました! ドラマオリジナルのキャラクターなども登場する予定で、原作マンガと併せて楽しめる作品に仕上がりそうで楽しみです! 連載も、忠輔の記憶や三角関係に大きな展開があり“要注目”です! コミックス最新第4巻も秋ごろには発売予定ですのでぜひ!
ゲッサン編集部 村上正直
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