国内最大のテレビゲーム展示会「東京ゲームショウ2011」(主催・コンピュータエンターテインメント協会)が15日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕した。12月の発売を控えるソニーの新型携帯ゲーム機「PS Vita」を一足早く体験しようと長い列ができたが、今回の最大の注目の的は、ソーシャルゲーム陣営初出展となるSNS大手の「GREE(グリー)」だった。
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会場を派手に彩り、長い列ができたのは、美しいCGで来場者を引き付けた家庭用ゲーム機の未発売ソフト。グリーの方は、出展内容がほぼ配信済みのゲームとあってか体験を希望する列はできず、一見すれば家庭用ゲームソフトの人気は不動のように見えた。
しかし、グリーの会員数は国内約2600万人、全世界で約1億3000万人。男女の比率はほぼ同数、テレビゲームが好きな世代とされる30代以上の会員数の割合も48%に達しており、「所得の少ない若い世代が遊ぶ無料ゲーム」というのは昔の話。現在は、世界で急速に普及するスマートフォン向けの展開を加速させ、さらなる売り上げ増を狙っている。今回の会場でのグリーの出展面積も1080平方メートルとソニーに匹敵し、出展企業中、最大規模だ。
さらにこの日、基調講演に立った3人のうちの一人はグリーの田中良和社長。「ソーシャルゲームが巻き起こすパラダイムシフト」と題し「今後5年間、世界中で爆発的なスマートフォンの普及が見込まれる中、10億人が利用できるサービスを作りたい」と抱負を語った。ちなみにソニーのプレイステーションネットワーク(PSN)の会員数は約8000万アカウント。グリーが目標とする規模がいかに巨大であるかわかる。
また田中社長は自信満々で今後、電話、デジカメ、パソコンなどコンピューターを用いた製品がスマートフォンに機能統合され、大量生産によって価格が劇的に低下し、全世界に普及するという将来像を示した。その中で既存の勢力がどのようなポジションを占めるようになるのかは明らかにしなかったが、ソーシャルゲーム陣営が従来のゲームメーカーとは違う存在感を示すことに成功したといえるだろう。今展示会はソーシャルゲームが一大勢力に台頭してきたことを象徴する展示会として今後、語り草となるのは間違いないだろう。(毎日新聞デジタル)
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