若手アニメーター育成のための文化庁のプロジェクト「アニメミライ」の発表会が18日、東京都内で開催され、プロジェクトで制作されたアニメ「わすれなぐも」(海谷敏久監督)など4作品が3月24日から新宿バルト9(東京都新宿区)など全国で上映されることが発表された。会見には、プロジェクトの広報大使に就任した「T.M.Revolution」の西川貴教さんが登場し「アニメは日本が誇るもの。国はアニメを海外に向けて発信しようとしているけど、アニメやコミックを規制しようとする動きもあり、理不尽だと思うことがある。そういうところのクッションになれればと思い、就任させていただきました」と決意表明した。
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「アニメミライ」は、アニメ制作環境の問題解決とアニメの振興を目的に10年度からスタート。アニメ制作会社に制作資金や技術習得の機会などを提供し、若手アニメーターの育成を目指す。10年度は「キズナ一撃」(本郷みつる監督)など4作品が制作され、劇場公開された。今年度は、アニメ制作会社のアンサー・スタジオ、 白組、テレコム・アニメーションフィルム、プロダクションI.Gの協力によって「わすれなぐも」「ぷかぷかジュジュ」「しらんぷり」「BUTA」の4作品が制作された。劇場公開されるほか、BS・CSアニメ専門番組「アニマックス」や毎日放送などで放送される。さらに動画配信サービス「ニコニコ動画」でも配信予定。
「わすれなぐも」は、現代の日本を舞台に可愛いクモの妖怪が巻き起こす騒動を描いた伝奇アクション。「うさぎドロップ」の作画監督などを務めた海谷監督がメガホンをとる。ほかにも、ジュゴンのジュジュと5歳の女の子・ミカの交流を描く「ぷかぷかジュジュ」(川又浩監督)、いじめ問題をテーマとした「しらんぷり」(宮下新平監督)、キツネやブタなど個性豊かな動物が登場する冒険活劇「BUTA」(友永和秀監督)が公開される。
会見には、文化庁の佐伯知紀芸術文化調査官、日本アニメーター・演出協会のヤマサキオサム代表理事、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーも登壇。ヤマサキ代表理事は、現在のアニメ制作の現場について「昔はテレビアニメを1年通して制作していると必ず若手が育ったが、今はデジタル化が進み、仕事が分業化され、ベテランと若手が同じ現場で作ることが少なくなったため、技術の伝承が難しくなっている」と説明し「このプロジェクトを通して優秀なアニメーターを年間30人くらい育てたい」と目標を語った。また、佐伯芸術文化調査官は「文化庁では、ソフトの支援とヒューマン支援の二つを考えている。作品を作るプロセスで若手を育てていきたい」と意気込んだ。(毎日新聞デジタル)
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