東京映画記者会が選ぶ「第54回ブルーリボン賞」の授賞式が14日、イイノホール(東京都千代田区)で行われ、「一枚のハガキ」で監督賞を受賞し、自身の持つ最年長記録(83歳)を更新した新藤兼人監督(99)と、史上最年少で新人賞を獲得した芦田愛菜ちゃん(7)が出席。新藤監督は92歳年下の愛菜ちゃんにエールを送った。
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新藤監督とは初対面という愛菜ちゃんが「ずっと映画のお仕事をされてるのは、すごいなと思います。(新藤監督の作品に)ぜひ出演させてもらいたいです」と語ると、新藤監督は「あと2年もたつと、私の座る位置も決まってまして、彼女の熱演にびっくりしてることでしょう。頑張って98歳(実際は99歳)の監督をけとばしてください。だから、私を見て、『ああ、なんだ。あんな監督か』と言って、ちょっと笑ってください」と激励の言葉を贈った。
「うさぎドロップ」と「阪急電車 片道15分の奇跡」の2作品で新人賞に輝き、デビュー作「時をかける少女」で16歳で新人賞を受賞した原田知世さんの記録を大幅に更新した愛菜ちゃんは、「このような素晴らしい賞をいただけて、とってもうれしいです。これからもお芝居をたくさん勉強して、すてきな女優さんになりたいです」とあいさつ。これから演じたい役は「ヘレン・ケラー。いつか挑戦してみたいです!」と明かした愛菜ちゃんに、ヘレン・ケラー役の経験がある司会を務めた寺島しのぶさんは「愛菜ちゃんにバトンタッチしたいと思います」と話し、会場を沸かせた。
ブルーリボン賞は、在京スポーツ新聞7社の映画担当記者で構成される東京映画記者会が制定する映画賞で、54回目となる今回は、昨年の主演男優賞を受賞した妻夫木聡さんと主演女優賞の寺島さんが司会を担当。寺島さんは、小学校の授業を終えてから授賞式に駆けつけたという愛菜ちゃんに、「学校とお仕事どっちが楽しい?」と質問。愛菜ちゃんは「どっちも楽しいです」と回答したものの、「どっちかというとどっちが楽しい?」と追及され、少しだけ困りながらも「どっちもです」と満面の笑みで答えていた。
「午後の遺言状」で第38回(95年度)の作品賞に83歳で選ばれていた新藤監督は、今回の受賞でその最年長記録を自ら更新。「大変大きな賞をいただきまして、感動しています」と喜びのコメント。新藤監督の作品に「出演したい」と愛菜ちゃんがいうと、司会の妻夫木さんも「俺も出たいです」、寺島さんも「私もです」と熱いラブコールを送っていた。
この日の授賞式には、主演男優賞の竹野内豊さん、主演女優賞の永作博美さん、助演男優賞の伊勢谷友介さん、助演女優賞の長澤まさみさんらも出席。会場は華やかな雰囲気に包まれた。(毎日新聞デジタル)
作品賞:「冷たい熱帯魚」(園子温監督)▽主演男優賞:竹野内豊(「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男~」)▽主演女優賞:永作博美(「八日目の蝉」)▽助演男優賞:伊勢谷友介(「あしたのジョー」「カイジ2~人生奪回ゲーム~」)▽助演女優賞:長澤まさみ(「モテキ」)▽新人賞:芦田愛菜(「うさぎドロップ」「阪急電車 片道15分の奇跡」)▽同:桜庭ななみ(「書道ガールズ!!」「最後の忠臣蔵」)▽監督賞:新藤兼人(「一枚のハガキ」)▽外国作品賞:ブラック・スワン(ダーレン・アロノフスキー監督)▽特別賞:原田芳雄
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