女優の米倉涼子さんが15日、東京都内で緊急会見し、米ニューヨークのブロードウェーでロングラン上演されているミュージカル「シカゴ」への出演が決まったことを明らかにした。今年7月の1週間、主人公ロキシー・ハート役で全編英語の舞台に立つことになった米倉さんは、「『シカゴ』は本当に大好きなミュージカルで、やる度に涙が出てしまうほど好きな作品。とにかくうれしい。プレッシャーもありますけど、大きなチャンスをいただけたので、多くの俳優や女優の夢を背負って、期待を裏切らないように頑張りたい」と歓喜の涙を流した。
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出演決定については一昨日にスタッフから聞いたという米倉さん。「ちょうど稽古を始める時だったので、人が集まってきて、しみじみ抱き合いましたみんなと。『やったー!』とか言うのではなくて、シカゴに関わってきてから5年くらいやってきて、長いつきあいになるので、握手をしてハグをして静かに涙を流しながらやったねと」と振り返った。
米倉さんは08年に日本版「シカゴ」で初ミュージカルに挑戦。今回のブロードウェー版に向けて、ハードスケジュールの合間を縫って英語や演技、ダンスのレッスンを積んでいるといい、今後は、4~6週間ほどブロードウェーで“缶詰め”になっての稽古に入るという。本番までは「あと3カ月。頑張りますよ!楽しく。シカゴの稽古はつらいけど楽しい。損することは何もない。頑張れば頑張るほど身になるので、楽しみます」と意気込んだ。
米倉さんは、「シカゴ」について、「たぶん、私が女優人生をいつまで送るかわからないが、ずっと私の夢だと思うし、誇りになると思う。私、シカゴやるために生まれてきたんじゃないかと思うことが良くあるんですね。なぜかシカゴをやると涙が出たりするのが、自分でもよくわからないんですが、とにかく本当に宝物なんです」と思いを明かし、本番は「たぶん真っ白になってしまうので、(今は)あれこれ言いませんが、とにかく体の、私の心の中から出てくるロキシーを見せられたらいいなと思います」と語っていた。
日本人女優が、アジア系でないアメリカ人の役柄を演じるのはブロードウェー史上初で、アジア出身の俳優としても初めて。あこがれのブロードウェーの舞台について、米倉さんは、「近づいてきたら、多分パニックになっていると思いますが、それは分かりきっているので、日本人女性が『シカゴ』でアジア人としても初めてロキシーを勝ち取る、その誇りを持って、行きたいなと思います」と気を引き締めていた。
会見には、「シカゴ」の振り付けを手がけるゲイリー・クリストさんも同席。米倉さんは今年7月中の1週間、ブロードウェーのアンバサダー劇場で「シカゴ」の舞台に立つ予定。(毎日新聞デジタル)