ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
12年9月に封切られ、興行収入22億円を超えるヒットとなった映画「モテキ」のブルーレイディスク(BD)とDVDが23日に発売される。この機会に、今だから語れる撮影の裏話やBD・DVDの“正しい”観賞法、さらに続編の可能性などを大根仁監督にたっぷりと語ってもらった。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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映画「モテキ」は、突然、異性にモテまくる“モテキ”が到来した31歳の草食系男子、藤本幸世の喜びと戸惑いを、軽快なJ-POPなどの音楽に乗せて贈る恋愛ストーリーだ。原作は累計200万部突破の人気マンガで、すでに完結しているため、原作者の久保ミツロウさんが自ら、映画のために新たな物語を(マンガ風絵コンテで)描き下ろした。原作のラストから1年後を描いており、毎日映画コンクールでは幸世役の森山未來さんが男優主演賞に、ブルーリボン賞では長澤まさみさんが助演女優賞に、作品そのものが日本アカデミー賞話題賞に輝くなど数々の賞を受賞した。
−−映画のヒットを大根監督自身、どう受け止めていますか。また、その要因はなんだと思いますか?
うれしく思います。今回の作品は、ど真ん中のエンターテインメントでありながら、見たことがないもので、かつ、普段洋画は見るけど、邦画はそれほど見ないという“邦画浮遊層”を意識して作ったつもりです。そういう人を取り込めたという気がしています。あとは口コミと、複数で見た人が多かったのではないかと。最初は1人で見に行ったけど、誰かと一緒に見て話をしたい、そういうふうに広がっていったのではないでしょうか。
−−昨年5~6月の撮影を改めて振り返って、どんなことが大変だったでしょうか。
それなりに大変ではありましたが、ものすごく苦労したということはなく、むしろ1年前ぐらい(昨年2月ごろ)の、脚本を書いているころが一番苦しかった。脚本が面白くないことには、映画はどうあがいても面白くならない。「モテキ」については、題材やヒロイン(長澤さん、麻生久美子さん、仲里依紗さん、真木よう子さん)のメジャー度などを考えると、やっぱり本をちゃんとしておかないと、彼女たちを輝かせることはできませんから。
−−久保さんが描き下ろしたストーリーを、大根監督が台本に落とし込んでいったわけですが、書きながらこれは完璧だと思えた場面はありますか?
幸世がみゆき(長澤さん)の部屋に行ってフラれて帰ってきて、やっと初めてきちんとした仕事ができる、というあたりですね。実はあれは、僕の経験から生まれているんです(笑い)。
−−撮影は東日本大震災後の東京で、計画停電の中で行われました。
計画停電によって大きく苦労したことはないんですが、むしろ、震災後1カ月ちょっとでこういうものを東京で撮るということに対して、気持ちの部分で複雑でした。ただ最近は、リアルな東京の街角を切り取った映画って、そんなにないんです。学校がメーンとか、病院がメーンというのはありますが。そういう意味では、「11年の震災後の東京の風景を切り取った映画」という側面も、実はこの映画にはあるんです。
−−特典映像の中で森山さんが、幸世役は二度とやりたくないと話していましたが、大根監督からご覧になっても、やはりキツそうでしたか?
未來くんは、見ていて痛々しいほど役に入り込んでしまうんです。映画は、パッケージはポップだし、なおかつ、女の子たちとそれなりにいい思いをするわけで、未來くんの、もう二度とやりたくない、つらかったという言葉にピンとこない人がいるかもしれません。でも、キツかったと思いますよ、書いている僕もキツかったですから。具体的には、麻生さんに乗っかられるシーン。あそこは、麻生さんも大変だったけど、未來くんも大変だったと思います。
−−他に大変そうだった俳優さんは誰でしょう。
麻生さんでしょうね。女子の共感は絶対得られる役ですよと説明はしましたが、今までやったことがない役だと思うし、やっぱりこの映画の中では、そんなにいい思いはしませんから。出てくるたびに大変なんですよ。いきなりカラオケを歌ったり、ゾンビみたいになったり(笑い)。
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−−女優さんに実際にお酒を飲ませたり、スタッフに内緒で突然音楽を流して助監督さんを怒らせたり、メーキングで明かされる意外な演出法に感服しました。
僕はいいかげんな監督ですけど、その場面で俳優さんにしてほしい表情のイメ−ジというのはそれなりにあって、予想外の方向にいくこともそれはそれで面白いんですが、現実的にできないときはできるようにする方法を考えます。まあ、それで出てきたのが、今回のように本当に酒を飲ませるとか、驚かせるとか、そういうことしかないんですけど(笑い)。
−−DVDになったことで、テレビモニターのサイズで観賞されますが。
映画って、映画映画しているものほどスクリーン映えはするけど、モニターで見るとしょぼく見えてしまいがちです。その点、僕はテレビディレクターがベースとしてあるので、もちろん、スクリーンで見ていただくことを前提に作っていますが、BDやDVDで見られることも想定して撮って編集しているので、そこはご安心ください。それから、映画同様、1度見ている方でも初めて見る方でも、複数人で見たほうが盛り上がると思います。僕は“モテキ会”みたいなものを推奨しています。
−−改めて、今回のBD・DVDの魅力をアピールしてください。
180分以上もある特典映像は、僕が構成、演出し、本編に負けず劣らず手をかけてやっているので面白いと思います。また、先着予約購入者だけがもらえるスペシャルディスクは、入手しないと後悔することになるほどの内容なので、ぜひとも予約してほしいということは、太字で書いておいていただきたいです(笑い)。
−−ちなみに、新作映画のご予定は?
「モテキ2」以外では考えています。
−−新井浩文さん演じる幸世の親友・島田主演で「モテキ2」というのは?
(きっぱりと)ないです(笑い)。
<プロフィル>
1968年、東京都生まれ。堤幸彦監督のADとしてキャリアをスタート。テレビ演出家、映像ディレクターとして「TRICK」をはじめとする数々のドラマやPVを演出。脚本、演出を担当したテレビドラマ「モテキ」が10年7月からテレビ東京の深夜枠で放送され注目される。今回の劇場版で映画監督デビュー。他に手掛けたテレビ番組に「週刊真木よう子」「湯けむりスナイパー」がある。初めてハマった日本のポップカルチャーは、小学校1、2年のころ、初めて自分のお金で買い始めた「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)。「当時の『少年チャンピオン』は黄金期で、『ブラック・ジャック』『ドカベン』『がきデカ』『マカロニほうれん荘』『月とスッポン』『750ライダー』……とにかく、連載すべてが面白かった。一つのメディアの中にいろんなタイプのものがあり、全体のクオリティーがすごく高いというところは僕の原点。『モテキ』も情報量がめちゃくちゃ多いですが、それは『少年チャンピオン』がベースにあるからです」と話す。
*……「モテキ 豪華版」23日発売(レンタル中)BD2枚組み7035円、DVD2枚組み6090円。スペシャルBOX+豪華デジパック仕様(BD・DVD共通)映像特典:大根仁監督監修!オリジナルメーキング映像/幸世、みゆき、墨さん、るみ子の本編未公開映像・封入特典:大根仁監督書き下ろし日記「続・モテ記」収録!ブックレット、ほか。通常版はBD4935円、DVD3990円。
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2024年12月25日 01:00時点
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