キン肉マン:作者ゆでたまごが明かす連載復活の秘話 仕事術や今後の展開を語る

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 人気マンガ「キン肉マン」の作者「ゆでたまご」の嶋田隆司さんが22日、ブックファースト新宿店(東京都新宿区)で行われた自著「火事場の仕事力」(ワニブックス)の発売記念トーク&サイン会に登場した。嶋田さんは「キン肉マン」の連載が24年ぶりに「週刊プレイボーイ」(集英社)の公式サイト「週プレNEWS」で復活したことについて「僕は紙で育ったので、最初はウェブなんて……と思っていた。ただ、3.11があって、被災地に行って思うことがあった。(出版)流通が止まったときに、ウェブだったらタイムラグなしに(読者に)届く。フェイスブックやツイッターでドンドン感想が集まって、口コミで広がるのを見ていて、面白いものを書いたらみんな読んでくれるんだなと思った。おっさんになってからの挑戦でキツいけど、やりがいがある」と生き生きと話した。

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 「ゆでたまご」は、ストーリー担当の嶋田さんと作画担当の中井義則さんのペンネーム。「火事場の仕事力」は、嶋田さんが“仕事術”を披露する初の単著で、「キン肉マン」の「7人の悪魔超人編」でミートくんがバラバラになる……というアイデアが生まれた瞬間のことや、ヒットが生まれなかった時期の経験など「キン肉マン」の裏話を交えながら仕事術を紹介している。新書サイズで192ページ、798円。トーク&サイン会には30~40代の男性を中心に約40人が集まり、質疑応答も行われた。

 嶋田さんは、単著を出版したことについて「自分たちの仕事のやり方を残しておきたいと思った。マンガ家は特殊だと思われるかもしれないけど、サラリーマンの人とそんなに変わらないはず。皆さんのヒントになればと思った。失敗談が多いです」とコメント。「ほかの人に当てはまるか分からないけど」と前置きした上で「中井くんと僕は直感でマンガを書いている。ほかの方のように伏線を張って、整合性をとって……というのはしない。それが『ゆでたまご』です」「メモはとりません。何日かたって忘れたアイデアはそんなもの。覚えているのは強烈なアイデア」などと独自の理論を展開した。

 また、「キン肉マン」で一番好きな対戦を「ウォーズマンとキン肉マンの戦いですね。雨のシーンがすごく好き。ウォーズマンの顔が見えたときに、吹っ切れた。悩んだときは見直しますね」と熱弁。読者の人気を集めた“超人募集”について「(採用していたのは)子どものアイデアが多かった。チエノワマンとかシンプルなものがいいんですよ」と振り返る。

 さらに「キン肉マン」の今後の展開を「みんな知っているキャラクターが出てくるかもしれません。楽しみにしてください。最終話のシナリオは……あるわけないじゃないですか。『ゆでたまご』ですよ。直感で行きます」と力強く話し、11年に連載が終了したキン肉マンの息子が活躍する続編「キン肉マン2世」については「2世からのファンも多い。もう一度やろうと思う」と続編の可能性を示唆し、ファンを喜ばせた。

 ほかにも「中井くんとはケンカをしたことがない。1年目くらいに一つ屋根の下で暮らしていたときは、僕が怒ることはあったけど、彼は根に持たないんですね。怒っても張り合いがなくて……」「嫁さんとはギャグ(のセンス)が合う。キン肉マン世代だけど読んだことがないんですよ。全然会っていなくて、今週もまだ会っていない」と知られざる素顔も明かしていた。(毎日新聞デジタル)

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