話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、人気SFアドベンチャーゲームから生まれたライトノベル「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」(5pb.×ニトロプラス原作、三輪清宗著、坂井久太画)です。角川書店角川スニーカー文庫編集部の大輝洋平さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
スニーカー文庫版ではなく、原作ゲーム並びにアニメ版の魅力としてまずはお話しさせていただきます。この作品は2010年の秋葉原を舞台にしたSF作品で、偶然にも過去へとメールを送れるタイムマシンを開発してしまった“厨二病”全開の主人公・岡部倫太郎が、自らが興味本位で行った過去干渉のせいで世界規模の悲劇を招いてしまい、多くのヒロインたちとのドラマを通じながらその過酷な運命を乗り越えていく……という物語です。
「STEINS;GATE」はさまざまな魅力にあふれた作品でそれだけ見どころも多いのですが、私が特にオススメしたいのは“時間”を扱ったSF作品ならではの「ラブロマンスの魅力」ですね。時間という絶対的な隔たりを前にして展開される各キャラクターたちのドラマは、多くの人の心に響くと思います。もちろん、壮大かつ緻密に組み立てられた世界観設定は、本格SF作品としての魅力も十二分に備えていると思います。
一方で、秋葉原を舞台にしていることもあり、近年のオタクカルチャー好きにはなじみの深い風景や要素もたくさん出てくるのですが、そうした“楽しさ”に彩られている点もこの作品の魅力的なポイントの一つですね。こうした数々の魅力が絶妙なバランスで共存していること、それが「STEINS;GATE」の魅力だと思います。
−−ゲーム原作の作品ですが、ライトノベル版ならではのポイントとは?
前の質問でもチラッと触れていますが、厳密に言えばスニーカー文庫版は原作ゲームを元にしたアニメ版「STEINS;GATE」のノベライズ作品ということになります。
その上で本作の見どころをご説明させていただくと、やはりヒロインである牧瀬紅莉栖の視点から「STEINS;GATE」の物語を描いていることですね。スニーカー文庫版1巻のあとがきで著者の三輪清宗さんもおっしゃっていますが、アニメ版では主人公の岡部倫太郎を軸にして物語が進行するために、牧瀬紅莉栖というキャラクターの背景や心情についてそれほど詳しく触れられていないところもあったと思います。スニーカー文庫版では“そこ”(特に岡部に対する彼女の恋心の在りよう)が重点的に描かれているので、既存のファンの方々にもきっと楽しんでいただける作品だと思います。まずは岡部に対する“助手”のデレっぷりをとくと堪能して下さい!
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
原作ゲームやアニメ版に触れた方であれば多くの方が同意してくださると思いますが、「STEINS;GATE」はストーリーもキャラクターも本当に素晴らしい、近年のエンターテインメント業界を代表する作品だと思います。担当である私自身、原作ゲームが発売されたころから大好きな作品なのですが、三輪さんの原稿は「STEINS;GATE」という作品の魅力(なかでもキャラクターの魅力)をより一層広げてくれる内容になっていて、そこは担当編集者としても一人の「STEINS;GATE」ファンとしてもおおいに興奮するところです!
さらにスニーカー文庫版では、アニメ版のキャラクターデザインを手掛けておられる坂井久太さんにイラストをお願いしているのですが、坂井さんから届くカバー&口絵イラストというのが本当に素晴らしいんですよ。毎回、ラフ画をいただいた段階からガッツポーズの連続ですね! また、次の質問でより詳しくご説明いたしますが、これから発売される4巻と5巻は各ヒロインのアンソロジー作品になっていて、坂井さんのカバー&口絵イラストに加えて、挿絵イラストをイラストレーターのフルーツパンチさんが描いてくださってます。そしてこのイラストがまた“超絶可愛い”んですよ!
素晴らしい原稿とイラスト、この二つがそろって興奮しないライトノベル編集者はいないですからね。そしてこの素晴らしさは間違いなく読者の皆様にも伝わるはずだと思っています。未読の方はぜひ読んでみてください! と、そんな感じなので、実は大変に思った経験というのは特にありません(笑い)。本当ですよ!!
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
角川スニーカー文庫版「STEINS;GATE」では、この5月と6月にヒロイン・アンソロジーの短編集(4巻、5巻)を刊行します。1~3巻までは牧瀬紅莉栖を中心にした物語でしたが、このアンソロジーではデレ成分たっぷりの紅莉栖エピソードの他にも、鈴羽、フェイリス、るか、萌郁、まゆりといった「STEINS;GATE」の各ヒロインたちのさまざまな物語が描かれます。1975年に旅立った後の鈴羽のエピソードをはじめ、他では読めない物語ばかりで必見です!
アニメでも劇場版の制作が進行中でまだまだ目の離せない「STEINS;GATE」。今後もご期待ください!!
角川書店 角川スニーカー文庫編集部 大輝洋平
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