「きみに読む物語」「メッセージ・イン・ア・ボトル」などで知られるニコラス・スパークスさんの小説を映画化した「一枚のめぐり逢い」が16日、公開された。米テレビ番組「ハイスクール・ミュージカル」でブレークした米人気俳優のザック・エフロンさんが、一枚の写真に命を救われる米海兵隊員ローガン・ティーボウを演じている。イラクの戦場で戦うローガンは、美しい女性がほほ笑みかける一枚の写真を拾ったことで命拾いをした。やがて帰国したローガンは写真に写っている手がかりから、その女性ベス・グリーンを見つけ出すが……という展開。エフロンさんに役作りについてや撮影中のエピソードなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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−−イラクで戦っている人たちから聞いたことや、彼らの精神性がどんなものか考えたことは?
「ザ・ミリタリー・チャンネル」というテレビのチャンネルを見つけたんだ。それは僕が出合った最もクールなものの一つだよ。まったくの偶然だった。ぼくは自分の部屋に入って、たまたまテレビを見たら、ネービー・シール(海軍の特殊部隊)の訓練のプログラムをやっていたんだ。彼らがどんなことを経験するかといったことをかなり詳しくね。彼らがやっていたのは一番基本的なトレーニングだけど、それを見て思ったのは……、僕は心の中のどこかで、もし自分がそれをやることになったとしても、多分パスできるという思いがあった。基本的なトレーニングはパスできるというね。でもそれを見た後、自分には絶対にやれないということに気づいたよ。自分にそれを当てはめたらね。彼らは違うレベルの人たちなんだ。
−−兵隊たちと話をして、どんなことを得ることができましたか。また、あなたのお芝居やこのキャラクターを作る上でどんなことを参考にすることができましたか。
すべてだよ。僕は自分の人生の中で、自分が海兵隊員と全く同じ時間を過ごしたことがないことに気づいたんだ。元兵士の人に会うといつも「(戦場は)どんなふうなの?」と聞くことがなかなかできなかった。「何を聞いたらオーケーか? 彼らはどんなことを話したがらないのか?」と(聞くことを迷っている)いう感じだった。僕は彼らの心の中でどんなことが起きているかずっと気になっていた。だから今回、僕にとって初めて、彼らと顔を付き合わせて話をした。彼らの様子をただ見ていたよ。すべての人が違っていたね。
−−反応の仕方とかが違っていたのですか?
そうだね。反応の仕方とかね。今回4、5人に会ったけど、何人かはとてもオープンで、そういったことに正直に答えてくれた。揺るぎない態度を持ってね。何人かは精神的に戦場に戻る感じだった。どこかつらそうに見えたよ。でも、すべてを払いのけて「戦場にいるということはどういうことなのか? 海兵隊員でいるのはどんな感じか? 兵士として国に仕えるのはどんな感じか?」といったことに焦点をしぼって聞いたんだ。
−−あなたはキャラクターとして、どのように反応したのでしょう? 彼らはそういったことにオープンに説明するのですか? それともあまり話したがらないのでしょうか。
その両方の間かな。自分が演じたことを思い出しているけど、理にかなっているね。でも戦場に(心情的に)戻るのはハードだよ。そこにいるのは自分の友だちたちなんだ。車で道を走っていて、IED(簡易爆発物)にやられ、自分だけが生き残ったことを想像できるかい? そういうことを思い出すなんて考えられないよ。そういうことを僕に話してくれた彼らにとても感謝している。
−−犬(ジャーマン・シェパード)のロウディとの仕事は?
彼は僕が今までに仕事をした中で、最高の役者だよ。彼は全く指示通りに動くんだ。やってほしいことはなんでもこなすよ。訓練された犬を相手にするというのは分かっていた。こういった人たち(動物のトレーナー)がどんなことがやれるかということも聞いていた。でもこの(最高)レベルのトレーニングを受けている犬がいるというのは予想外だったね。彼は座ったり、横になったりといった基本的なことだけでなく、ちょっと変わったこともやれるんだ。例えば「顔をそっちに向くように」といえば、彼はその方を見る。それから「いいかい、目はこっちだよ」というと、目だけを決まった方向に向けるんだ。それから足を組んだり、口で足の先をくわえたりもする。また、立ち位置は合っていても、向く方向が違っていたら、「向きを変えて」と指示を出せば、ちゃんと修正する。トレーナーたちは、2ブロック離れたところから指示を出すこともできる。ロウディはちゃんとトレーナーを見ているんだ。すべてボディーランゲージで伝えるんだよ。声を出す必要はまったくない。ちょっとした動きをするだけで、犬はそれに反応するんだ。驚くね。
−−「ハイスクール・ミュージカル」のあと、役選びは大変ですか?
分からないよ。僕はまだやりながら学んでいる。すべてのプロジェクトは違うんだ。最近はチャレンジできるものを探している。なぜなら僕は大学に行っていない。それでいきなり大リーグに飛び込んだみたいなものだからね。だからできるだけ自分が出演した作品の監督たちから学びたいんだ。最近はそういったことに焦点を当てているよ。スコット(・ヒックス)とかバー(・スティアーズ)とか一緒に仕事をしている人たちから学ぶんだ。でも役選びについては以前に比べてずいぶん注意を払うようになった。かなりそういうことについて学んできたからね。でも僕の中には楽しいことをしたいという面もある。「ハイスクール・ミュージカル」や「セブンティーン・アゲイン」といった作品もたまにはやらないとね。
−−今後いくつか今までとは雰囲気の違う作品が公開されます。そういった作品は自分自身にチャレンジするために選んだのでしょうか? それとも自分のキャリアにとってよい作品ということで選んだのでしょうか?
それも分からないよ。常にいろんなことがミックスされているね。ぼくは他の人にキャリアについては考えてもらうようにしている。自分はクールだと思うことをやるだけなんだ。楽しそうで、自分が見たいと思う作品をやるんだ。ただ座って、キャリアのことを考えることなんてできない。僕はそういったことは考えないようにしているよ。自分の気持ちに従うだけだ。
−−今回の作品はラブストーリーでもあります。主人公は写真を元にその女性を見つけるために歩いて国を横断するわけですが、それは愛を探すためにはかなり道のりですよね? 愛のためにそれだけの距離を行くというのは理解できますか?
この映画は、僕にとっては、そういったことを実際にしないでやるチャンスなんだ(一同笑い)。僕はローガンの考えは好きだよ。僕も彼みたいだったらと思う。だからこれを演じてみたいと思ったんだ。
−−米ルイジアナでの撮影がこんなに寒くなると知っていましたか?
まったく知らなかった(笑い)。驚いたね。一日中外にいないといけない人たちに対して気の毒に感じているよ。
−−この作品は運命や定めについて扱っていますが、あなたは運命を信じますか?
分からない。まだ(自分の中で)決めかねているんだ(笑い)。
−−ローガンはヒロインに対して秘密を持っています。その秘密は、築き上げた関係を破壊することにもなりかねません。あなたも生きていくために秘密にしているものはありますか?
そうだね。間違いなくあるね。それについては疑いの余地はないよ。僕の場合はこの小説の中にあるようなものではないけどね。
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