米女優のジョディ・フォスターさんの16年ぶりの監督作「それでも、愛してる」が公開中だ。親友の俳優メル・ギブソンさんと夫婦を演じている。ギブソンさんがビーバーのぬいぐるみを片手に怪演! 壊れかけた家族の絆と再生に真摯(しんし)なまなざしを向けた一作だ。
ウナギノボリ
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メレディス(フォスターさん)は、玩具会社の2代目社長である夫ウォルター(ギブソンさん)と17歳と7歳の息子の4人暮らし。結婚20年目で、エンジニアとしてのキャリアも順調だった。しかし、夫がうつ病にかかり、家族はバラバラに。夫ウォルターは、車中のガラクタからビーバーのぬいぐるみを見つける。それを左手にはめると、うつが軽減するため、ウォルターはビーバーを通して周囲の人とコミュニケーションを取ることにするが、喜んだのは7歳の息子だけ。妻メレディスは戸惑い、17歳の息子は父親を受け入れられなかった。しかしウォルターは元気を取り戻し、やがて新商品を思いつく……というストーリー。
ビーバーのぬいぐるみ(これがあんまり可愛くないのも一興)と一心同体のギブソンさん。フォスターさんの依頼がなければ実現しなかったであろう配役で、繰り広げられるのは家族を取り戻そうともがく夫婦の姿だ。夫と妻の立場の違い、年の離れた2人の息子の違いが鮮明に描かれている。フォスターさんが演じるメレディスは、息子を守ろうと必死で、あるべき家族の理想を追い求めるあまり、その思いが夫を追い詰めていく。感情的になり過ぎない演出加減がいい。家族4人、それぞれの心の痛みをじっくりと見つめさせることに成功した。シネスイッチ銀座(東京都中央区)、新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほか全国で順次公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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