吉本興業の若手芸人が、47都道府県に住んで地元に密着した活動をする「あなたの街に住みますプロジェクト」。全国に住む「住みます芸人」の皆さんに各地のおいしいものを紹介してもらいます。記念すべき第1回は青森に住むお笑いコンビ「キューティーブロンズ」が“ブサカワ犬”のわさおでも知られる鯵ケ沢（あじがさわ）町の焼きイカの魅力を語ります。（毎週日曜更新）

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　涼しく短い青森の夏には焼きイカがよく似合います。

　鯵ケ沢町を中心とした日本海沿いの西海岸を、青空の下、青い海を脇目に車を走らせ、潮風の香りを楽しみながら焼きイカを食べるんです。青森県民にとって、大切な夏の楽しみの一つです。

　近海で取れた新鮮なイカを潮風にあてて軽く干します。これを焼くだけ。極めてシンプルですが、熟練の技で程よく焼けた焼きイカをほおばると、とっても香ばしく、ムニムニと無二の歯応えがあります。イカ本来のうまみが口の中いっぱいに広がり、まさに至福。塩だけとは思えない程に豊かな味わいは、日本海からの潮風にあてることによると言われてます。いわば、大自然がそのまま調味料になっているんです。これはここでしか味わえません。一匹まるまるで300円程度。超リーズナブルに買える幸福なわけです。

　以前は海をながめながらイカをほおばるのがスタンダードでしたが、近年ではブサカワ犬で有名なわさおとその後ろに広がる景色を眺めながらイカを食べるのも粋ですね。

　数年前に菊谷節子さんが拾った子犬は、旅のブロガーの方が記事に取り上げたことをきっかけに、口コミでその愛らしさが全国に広がり、今や日本で最も愛されているワンちゃんになったと言っても過言ではありません。わさおは鯵ケ沢町名誉町民でもあり同町の観光大使でもあります。そして我々「キューティーブロンズ」も、鯵ケ沢町の「お笑い元気大使」に任命していただきました。わさお……、いや、わさおさんの足を引っ張らないように……、いや、しっぽかな……？　とにかく、わさおと一緒に鯵ケ沢町を、青森県を盛り上げていけるよう頑張ります。

　わさおがいる菊谷商店を始点とした海沿いの道には、実に十数軒の焼きイカ屋さんが並んでいます。鯵ケ沢の「焼きイカ通り」として有名なエリアです。

　焼きイカ屋さんの前には、柵に干された無数のイカが風になびきます。イカのカーテンとも言えるこの光景は、鯵ケ沢町など青森県西海岸の風物詩でもあります。それぞれのお店にそれぞれのこだわりがあり、例えば秘伝の塩を使うお店、干し時間にこだわりがあるお店、焼き方に秘密があるお店と実にさまざまです。食べ比べてお気に入りの焼きイカを探すのも楽しいですよ。

　もちろん、青森県は海の幸だけでなく、山も川も田んぼも畑も豊かです。世界遺産の白神山地もあります。海も日本海、太平洋、津軽海峡、陸奥湾と豊富にあります。ご存じ、ねぶた、ねぷた祭りもあります。我々キューティーブロンズが縄文生活を行う予定の三内丸山遺跡もあります。短いからこそ、ぎゅ～っと凝縮された青森の夏、ぜひ楽しみに来てください。（取材協力　七里長浜きくや商店　0173・72・6766）

　◇キューティーブロンズのプロフィル

　こさぶろう（青森県弘前市出身）と先川栄蔵（東京都世田谷区出身）のコンビで07年に結成。「おはスタ」「あらびき団」などに出演。青森の住みます芸人として11年5月から活動している。

　※記事中で紹介したメニューには、季節限定のものや、価格が変更される場合があります。