サービス開始から8周年を迎えた“老舗”のオンラインカードゲーム「アルテイル」。運営するのは、7月4日にソニーグループのソネットエンタテインメントの子会社「ゲームポット」(東京都品川区)から独立したばかりの新会社「コアエッジ」(東京都品川区)だ。興味深いのは、独立したのにかかわらず、ゲームポットからオンラインカードゲームのポータルサイト「アルテイルネット」の事業譲渡を受け、さらにソネットから出資を受けてグループ内にとどまっている点だ。グループ内に同じ業態の会社を新設するケースはまれだ。宮本貴志社長に、新会社設立の経緯や、事業展開などについて話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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宮本社長は、インデックスグループの「デックスエンタテインメント」で「アルテイル」を運営していたときからの初期メンバーの一人だ。08年にゲームポットがデックスエンタテインメントのゲーム部門を買収して、新会社の「GPコアエッジ」を設立したときに社長に就任した。11年にGPコアエッジがゲームポットに吸収合併されたときも、取締役としてそのまま同社にとどまった。
コアエッジは、なぜ新会社を設立を目指したのか。宮本社長は「会社が大きくなって安定した半面、組織の意思決定の遅れを感じるようになった。オンラインゲーム業界は、ピークが短くすぐに勝負しなければいけない世界で、その特性を考えると組織としてフットワークが軽い方が有利と考えた」と明かす。宮本社長は、最初は2、3人で新会社を設立する考えだったが、話を聞きつけたメンバーの中には、宮本社長が正式な辞表を出す前に元の会社に辞表を出し、新会社参加の意思を示した者もいたほどで、現在は計14人のメンバーが在籍している。
実質的な独立にもかかわらずソネットから異例の出資があったことについて、宮本社長は「今があるのもゲームポットのおかげ」と前置きした上で、「やりたいことがあったということで、我々のことを理解していただけるなら応援してほしかった。会社の設立時にきちんと説明させていただき、出資という形で応えていただけた。(ソネットに)結果できちんとお返しできたら、(今後の)モデルにもなる」と話している。
同社のロゴには、宮本社長の理念が反映されている。担当したのは、セガで「アヴァロンの鍵」シリーズを手がけたデザイナーで、現在は専門学校のHALで教壇に立つ田口博之さんだ。田口さんは4年前の08年、GPコアエッジの設立時も宮本社長の依頼でロゴをデザインした。そのときは、宮本社長をコア(核)にして人が集まるというイメージと、宮本社長の目がギラギラしていた印象をロゴデザインに反映させたという。
今回のコアエッジのロゴも担当した田口さんは、GPコアエッジ時代から、中心のコアの色を温かみのあるものにして、モノを取り込むイメージを持たせた曲線を2本入れるなどした。田口さんは「モノ作りの中心(コア)はそんなに変わっていないんですが、その周りに人が集まって巻き込まれ、かつ包み込むという意味を込めました。4年前を考えると、宮本社長もずいぶん円くなりました。だからロゴの色なども柔らかくしました」という。
現在、「アルテイル」の海外展開に力を入れている。先月、同社は台湾、香港、マカオでの世界展開を発表したばかりで、次の展開も近日中に発表するという。宮本社長の夢は「アルテイルで世界大会を開くこと」で、今後はPCだけでなく、タブレット、スマートフォンなどの展開も視野に入れる。
宮本社長は「(ハンバーガーのアイコンになっている)マクドナルドのように、いつかコアエッジのロゴがオンラインゲームのアイコンになる日がくるようにしたい」と意気込んでいる。(毎日新聞デジタル)
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