注目映画紹介:「ミロクローゼ」 山田孝之が1人3役で三人三様のラブストーリーを演じる

「ミロクローゼ」の一場面 (C)2012「ミロクローゼ」製作委員会
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「ミロクローゼ」の一場面 (C)2012「ミロクローゼ」製作委員会

 昨年3月から海外での巡回上映をへて、日本に逆上陸した超個性的な作品「ミロクローゼ」が24日、公開された。マネキンの登場人物が繰り広げるショートドラマ「オー!マイキー」の石橋義正監督が、男の情念を個性豊かにスクリーンに表現している。俳優の山田孝之さんが3役を演じ分けているのにも注目だ。

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 少年のような外見の「オブレネリ ブレネリギャー」はある日、公園で美女と出会う。彼女は“偉大なミロクローゼ”(マイコさん)。彼女のために必死に働いて、家を購入し、2人の幸せな生活が始まる。だが、ミロクローゼが別の男性と仲よく歩いているところを目撃し、ショックで心に穴が空く。穴を鍋ぶたでふさいで孤独に生きることになった……。そのほか、彼に似た人物が2人。青春相談員の熊谷ベッソンと片目の浪人・多聞(ともに山田さん)の三者三様のラブストーリー。

 極彩色でポップな映像がテンポよく展開される。凝ったアート作品だからこそ、無垢(むく)な気分で見ることをオススメしたい。恋をした相手は具体的な誰かではなく、「ミロクローゼ(太陽)」と呼ぶ象徴的存在だ。いちずに女性を思う普遍的な男性の姿がやや切なくて、女性への思慕はまるで神話のよう。石橋監督は脚本、美術、編集、音楽すべてを手掛けている。この確固たる個性的な世界観に、入り込めるかどうか。主演の山田さんは「悪の教典」ではセクハラ教師、「その夜の侍」では堺雅人さんにつけ狙われる元加害者と、簡単には理解し難い個性的な役柄を演じることが多いが、複雑な内面を表現できる役者としてけうな存在だ。この作品も山田さんでなければ演じられなかっただろう。24日からシネクイント(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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