歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが3日、大津市の三井寺で主演映画「利休にたずねよ」(田中光敏監督)の撮影を行った。映画で新しい千利休像を演じる海老蔵さんは「利休さんについて書かれた、本や原作はもちろん読んでいましたが、実際に長次郎の器を拝見したり、利休さんが実際に削った茶杓(ちゃしゃく)などを見つけて、触れさせてもらうと、どう利休さんが感じたのか、インスピレーションを感じました」と手応えを語った。
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海老蔵さんは利休を演じるうえで「茶道の準備がやはり大変でした。幼いころから茶道はたしなんでいましたが、皆さまの前で披露させていただくためには、相当練習しました」と準備万端で臨んだという。しかし、「普段、歌舞伎では幕が開いて終わるまで順通りですが、今回の『利休~』では19歳から69歳までを演じつつ、映画は順通りの撮影というわけではないので、苦心しながらやっています。利休は静という、静かなものの中でどのように精神を描写していくのが大変です」と撮影の苦労を語っている。
映画は第140回直木賞受賞作の山本兼一さんの同名小説が原作で、「茶ノ湯天下一」とうたわれた茶聖・千利休と取り巻く人々との交わりを通して美を追求する“情熱の人”としての利休の姿を描く。
この日、田中監督や豊臣秀吉役の大森南朋さん、石田三成役の福士誠治さんも取材に応じ、田中監督は海老蔵さんのキャスティングについて「想像していたとおり、今の時代にふさわしい新しい利休像を演じてもらっています」と説明した。
映画は13年12月に公開。(毎日新聞デジタル)
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