8日に発売された任天堂の新型ゲーム機「WiiU」は、タブレット端末型のコントローラーがカギを握る。最近は、スマートフォンやiPadといったタブレット端末でゲームも遊べるため、ゲーム専用機の必要性が薄まっている。だがWiiUは、タブレットの要素を盛り込み、電子書籍の取り込みや携帯ゲーム機との融合といったさまざなビジネスチャンスを視野に入れ、専用ゲーム機の存在感を高めようとしている。WiiUの特徴を紹介しながら、“ゲームの概念”を変える同機の潜在能力に注目した。(毎日新聞デジタル)
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「WiiU」は、世界で9700万台を出荷した「Wii」の後継ゲーム機だ。大ヒットゲーム「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの最新作「New スーパーマリオブラザーズ U」などの専用のゲームソフトに加え、インターネットにもつながるため、検索や動画を見ることも可能だ。テレビ電話のアプリも実装しており、9万曲以上あるカラオケサービス(1時間100円~)も楽しめる。
最大の特徴は、タッチパネル対応の6.2インチの液晶画面を搭載したタブレット型コントローラー「WiiUゲームパッド」の存在だ。新コントローラーの登場で、テレビとコントローラーの2種類の画面を見比べたり、新しい動かし方をするゲームソフトも登場した。一方で、「WiiUゲームパッド」だけでも操作できるため、例えば、地上波のテレビ番組を見ながら、手元の「WiiUゲームパッド」のみでゲームソフトを遊べたりもする。もちろんテレビの大画面を見ながらでも遊べるが、「テレビを占有しなくてもいい」というところがポイント。動画サイト「YouTube」や「ニコニコ動画」を利用できるのだが、WiiUではテレビの画面でも、タブレット型コントローラー「WiiUゲームパッド」の画面のどちらでも視聴が可能だ。
「WiiU」は、一見すると「携帯ゲーム機と同じ」に思えるが、全く違う。まず、携帯ゲーム機と比較にならないほど高性能で、HDの画面が楽しめる。またゲーム機本体とタブレット端末型のコントローラーが連動するのが前提で、通信距離は最大30メートル程度。そのため「WiiUゲームパッド」を外に持ち出せばゲームは遊べない。実際に触ると分かるのだが、WiiUではテレビ画面は見なくても操作できるため、「家の中限定のタブレット」というイメージを抱く人もいるだろう。
だがタブレット端末の要素を取り込むことで、WiiUは、Wiiで指摘された弱点を解消している。まず携帯ゲームのように、ある程度は好きな場所、好きな体勢でゲームができる。もちろんテレビ番組を見ながらCMになれば、手元の「WiiUゲームパッド」を操作してゲームを進める……というスタイルもある。またDSや3DSで得た携帯ゲーム機のファンを、本来ならタイプが違うはずの据え置き型であるWiiUに引きずり込むことも可能だろう。最近はPCを触りながら、テレビを見るといった生活スタイルが定着している人も多いが、WiiUの提案もこのスタイルに似ている。
現在は、アップルのiPhoneやiPadに代表される携帯電話やタブレット端末はゲームが遊べるの当たり前で、アマゾンの電子書籍端末「キンドル」もゲームの対応を想定している。テレビゲームは、83年に「ファミリーコンピュータ」が発売されてから約30年になるが、インターネットの登場以降ゲームの進歩は著しく、将来はネットワークを介して機種の性能に関係なくゲームが遊べる「クラウドコンピューティング」へ移行するのも時間の問題といわれている。ここ10年、任天堂のライバルだったソニーやマイクロソフトの姿勢を見れば、今後の戦略の中でゲーム専用機が占める割合は以前より低下したのは明らかで、かたくなにテレビゲームの魅力を追究する任天堂には厳しい環境が続く。
そんな中でWiiUは、任天堂が望めばゲーム以外の展開も容易になっていて、それが新しい価値を生み出す可能性がある。タブレットの要素を入れたことで、電子書籍をダウンロードして「WiiUゲームパッド」で読むこともできるだろうし、自社の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」との同化も考えられる。もちろんWiiUの普及が進めば、インターネットのさまざまなサービスへの参入も期待できる。発売当日の購入者の中には、こうしたソフトの充実に期待を寄せる人もいた。
任天堂は、「スーパーマリオ」や「ポケットモンスター」といった世界的な人気タイトルを抱えるソフトのメーカーでもある。そのため、携帯電話やPCなどの他のプラットホームに人気ソフトが移籍しない強みがあり、そのため、WiiUのある程度の成功は保障されている。だが、任天堂に求められるのは、DSやWiiで成し遂げた「ゲーム人口の再拡大」だろう。シナリオ通りに再び成長路線に乗せられるか今後の動きに注目が集まりそうだ。
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