ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、現代の日本に住む男子高校生が時空を超えて見知らぬ国の女戦士となって戦う姿を描いた伊藤悠さんの歴史マンガ「シュトヘル」です。スピリッツ(小学館)編集部に作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
13世紀、蒙古(もうこ)軍は中国西北部の隣国西夏(せいか)に侵攻、国家のみならずその文字を執拗(しつよう)に焼き、西夏文字の痕跡を消し去ろうとしていた。
有史以来、最強と言われた蒙古軍を相手に、西夏文字を守る闘いに挑んだ女戦士シュトヘル。
「人間にとって文字とは何か!?」
滅び行く国の文字に命をかけた戦士たち。
いま、最も深く、激しく、魂を揺さぶるヒストリカルコミック!!!!
−−作品が生まれたきっかけは?
伊藤さんはもともとこの時代や地域に関心をお持ちのようでした。
ただ、連載前の打ち合わせでは歴史周辺の話よりも、登場するキャラクターたちの関係性や、作品の中で訴えたいメッセージについてよく話されていました。
(今思えば、こちらの理解の及ぶ範囲に合わせてくださっていたのかもしれませんね……)
打ち合わせの喫茶店で、シュトヘルが地面からよみがえるイメージカットを出して、「体育会系のドジな女子が、文化系の男子を守って……」と語られていたのが印象に残っています。
そのときのカットが、単行本1集の22、23ページの見開きです。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはうれしかったことなどエピソードを教えてください。
大変というほどではありませんが、連載前に西夏の資料を収集するのに少しだけ時間がかかりました。
伊藤さんはもともと中国(周辺)史に詳しい方でしたが、こちらは「井上靖さんの『敦煌』で出てきたあの国か……」くらいの認識でした。
しばらくすると、東京外国語大学の荒川慎太郎先生にお会いでき、作品についてさまざまなアドバイスをいただけるようになり、時代背景の理解が一気に深まりました。
担当していてうれしいのは、やはり完成原稿を拝見した時です。
絵の力、せりふの力でここまで読み手の感情を揺さぶることができる方はなかなかいないと思います。
また、プロットや絵コンテなど、すぐれた作家の思考の跡を見られるのも役得だなと思うことがあります。
−−今後の展開は?
シュトヘルとユルールに新たな追っ手が迫り緊張が高まります。
また蒙古軍の中にも今後の展開の鍵を握る人物が登場して、ますます目が離せない展開が待っています。
−−読者へ一言お願いします。
隣国の金国を巻き込んでの玉音同争奪戦、シュトヘルとハラバルの決闘、蒙古側の新キャラクター登場……と、見どころ満載の最新単行本7集が27日に発売予定です。
また同日発売の「月刊!スピリッツ」2号には、特別付録「シュトヘル制作ノート」が付いています! まるまる1話分のネームや、詳細な設定表などが収録された貴重な一冊です。
ぜひ手にとってください。
「月刊!スピリッツ」編集部
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