宮沢和史:「島唄」発表から20年 当時の葛藤明かす

映画「THE BOOM 島唄のものがたり」の舞台あいさつに登場したTHE BOOMの宮沢和史さん=沖縄国際映画祭で
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映画「THE BOOM 島唄のものがたり」の舞台あいさつに登場したTHE BOOMの宮沢和史さん=沖縄国際映画祭で

 4人組バンド「THE BOOM」が27日、沖縄国際映画祭の上映作品「THE BOOM 島唄のものがたり」(真喜屋力監督)の舞台あいさつに登場。同バンドのボーカルで、「島唄」の作詞・作曲を手掛けた宮沢和史さんは「発表して20年の節目の年に参加できてうれしい。多くの人に『面白い歌を作ったね』と言われましたが、実は発表するか悩んだ。僕はヤマト(本土)の人間で戦争を知らない人間が歌を歌うという何一つリアルな体験がないところからスタートしたので、発売していいものかと悩んだ」と葛藤があったことを明かした。

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 映画は、発表から20年たった「島唄」がいかにして生まれ、スタンダードナンバーになるまでどのように成長していったのかを、作詞・作曲を手掛けた宮沢さんら関係者へのインタビューを通じて解き明かすドキュメンタリー。

 太平洋戦争の沖縄戦の悲劇を歌った「島唄」について宮沢さんは「僕はあの歌ですべての歌詞にもう一個の意味、ダブルミーニングを込めて作りました。『くり返す悲しみは島渡る波のよう』という一節があるんですが、アメリカの世になってヤマトの世になってという時代の流れの中で帝国主義、大きな国に翻弄(ほんろう)されていく様は波のようだと表現したんですが、仲間の音楽家の一人から『君のやっていることこそが帝国主義なのではないか』と言われ、強くこたえました」と話し「そのときに決めたのは沖縄を通り過ぎるのではなく、根を生やす覚悟で歌い続けようということ。20年たって子供たちから(島唄)は昔からあった歌で誰が歌ったのかなあと言われるとうれしい。昔からそこにあった木のようで」と「島唄」への思いを明かした。

 真喜屋監督は「島唄に拒絶反応を出す人もいる。どちらの意見が正しいというわけではなく、沖縄にいろんな人がいるということを収められた。20年前には沖縄の人が歌った。今回は沖縄に移住した人や外国人、子供などいろいろな人が歌う今の沖縄を収められてよかった」と話した。(毎日新聞デジタル)

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