朗読少女:乙葉しおりの本の小道 第121回 スティーブン・キング「スタンド・バイ・ミー」

「スタンド・バイ・ミー−恐怖の四季 秋冬編」著・スティーヴン・キング(新潮文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん
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「スタンド・バイ・ミー−恐怖の四季 秋冬編」著・スティーヴン・キング(新潮文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん

 美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに100万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第121回はスティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」だ。

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 皆さんこんにちは、乙葉しおりです。

 季節も夏に近づいて、夜空の星座も少しずつ違った物語を語り始めるころ。夜はまだちょっぴり肌寒いですね。

 今から3年前、そんな星のまたたく宇宙からある大きなニュースが届きました。およそ60億キロメートルという気の遠くなるような旅を終えて地球に戻ってきた、翼を持つ小さな英雄。 その英雄の名は、小惑星探査機「はやぶさ」……。そうです、2010年6月13日は、はやぶさが地球の大気圏に再突入した日なんです。

 「星の王子さまに会いにいきませんか」を合言葉に、149カ国88万人の重いが刻まれた地球からのメッセージ「ターゲットマーカー」を積んだはやぶさは、2005年に小惑星イトカワへこれを送り届けました。2014年に打ち上げ予定の「はやぶさ2」でも同様のキャンペーンが7月16日まで行われていますので、遠い宇宙の星に自分の名前を刻みたいという方、まだ間に合うかもしれませんよ。

 ちなみに2度目のイトカワ着陸の際には管制室の机に増えていく栄養ドリンクのビンがブログで話題となり、後に製薬会社からブログ担当さんにドリンクが2カートン贈られたとか。

 他にも帰還時の大きな話題性から、はやぶさに関わった人々をテーマにした映画や小説が作られ、物語の世界にも大きな影響を与えました。

 まだまだ知らないことがたくさんある宇宙……寝る前にちょっとだけ空を見上げて、まだ見ぬ星のお話に耳を傾けてみるのもいいかもしれませんね。

 ではここで朗読倶楽部のお話、今回は4度目の大会出場の後に行われた「交流戦」を振り返ってみます。

 大会の翌日から練習を再開した私たち、けれど残るチャンスはあと一度きりという、今まで以上のプレッシャーに上達など望めるはずもなく……3日とたたないうちに行き詰まってしまいました。

 そこで先生が「実戦的な練習」……「他校との交流試合」を提案します。運動系の部活動であればそれほど珍しくはない「交流戦」ですが、私たち朗読倶楽部では初めてのこと。対戦相手は、あの小口のどかさんが所属する文芸部朗読サークル。私たちは彼女の通う学校・鎌倉に出かけました。

 ところが、いざ試合という段階になって小口さんが、お互いの朗読用書籍の交換を提案したのです。当然ながら練習したことのない本、不安になる私たちですが、先生の励ましによってぶっつけ本番ながらも善戦することができました。

 判定は……文芸部朗読サークルの勝ち。負けてしまった私たちでしたが、心は晴れやかでした。それは、交流戦を通じてさまざま々な発見があったからです。

 「聴いてもらう相手の存在」を改めて意識できたこと。自分が練習していた本をほかの人に朗読してもらうことで、新しい発見がいくつもあったこと。そして、先生と、協力してくれた朗読サークルの皆さん……私たちを応援してくれる人がいるということ。「この恩は必ず大会でお返ししよう」と、私たちは決意したのでした。

 ……今回で、朗読大会を振り返るシリーズは終わりです。

 そして、朗読倶楽部の明暗を分ける5回目の朗読大会については、近日中にお話ししていきたいと思っていますので、次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)

■しおりの本の小道 スティーブン・キング「スタンド・バイ・ミー」

 こんにちは、今回ご紹介するお話は、4人の少年が織り成す冒険小旅行の記憶をたどる、スティーブン・キングさんの「スタンド・バイ・ミー」です。

 4作の短編・中編を収めた単行本「恐怖の四季」の中の1作「The body(死体)」の原題で、1982年に発表されました。

 このお話は「恐怖の四季」の中では「秋」に該当する作品で、1986年に公開された映画で広く知られるようになりましたが、他にも春の「刑務所のリタ・ヘイワース」(ショーシャンクの空に)と、夏の「ゴールデンボーイ」も映画化されており、冬の「マンハッタンの奇譚クラブ」も映像化がうわさされています。

 「わたし」ことゴーディがはじめて人間の死体を目にしたのは、12歳のときだった。1960年9月、アメリカ・メーン州キャッスルロックでの出来事だ。当時、わたしにはクリス、テディ、バーンという3人の遊び仲間がいた。

 雨一滴も降らない夏がそろそろ終わろうという金曜日の朝、わたしたちがたまり場にしている樹上の秘密基地でゲームに興じていると、汗まみれになって走ってきたバーンがこんなことを言ったのだ。「おまえたち、死体を見に行きたくはないか?」と……。

 このお話の舞台・キャッスルロックという街は、スティーブン・キング作品ではおなじみの架空の地名です。他のどんな作品で登場しているかつながりを調べてみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

 ※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。

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