注目映画紹介:「劇場版 空の境界 俯瞰風景3D」 劇場版アニメ第1章を3D化

「劇場版 空の境界 俯瞰風景3D」のイメージビジュアル (C)奈須きのこ/講談社・アニプレックス・ノーツ・ufotable
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「劇場版 空の境界 俯瞰風景3D」のイメージビジュアル (C)奈須きのこ/講談社・アニプレックス・ノーツ・ufotable

 奈須きのこさんの長編伝奇小説を映像化した劇場版アニメ「劇場版 空(から)の境界 俯瞰風景3D」(あおきえい監督)が13日に公開される。「空の境界」は、奈須さんが同人サークル「竹箒」のホームページに掲載した後、講談社ノベルスから小説が出版。2007~09年にかけて7部作の劇場版アニメが公開された。今作は劇場版アニメの第1章を3D化。また、7部作の劇場版アニメを13話のテレビシリーズとして時系列順に再編した「空の境界」が5日深夜から順次スタートしているほか、完全新作となる「未来福音」が今秋公開予定となっている。「Fate/ゼロ」のキャラクターが可愛くデフォルメされてカフェで働くアニメ作品の「Fate/ゼロカフェ」が同時上映。

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 夏の終わり、少女たちの飛び降り自殺が相次いで発生。自殺の理由も共通点も一切ないと報道される中、最高位の人形師で魔法使いになれなかった魔術師の蒼崎橙子(声・本多貴子さん)が関連性を見いだした。一方、万物の生のほころびと死線を見る力“直死の魔眼”を持つ両儀式(声・坂本真綾さん)は、連続自殺事件の捜査に乗り出すが……という展開。

 独特の言葉が飛び交い、特異な能力を持つ主人公や謎めく世界観と、とにかく“難解さ”がある種の魅力となっている「空の境界」。劇場版アニメでは原作の濃厚な世界観を見事に映像で表現し、原作では一度読むだけでは理解するのが難しい場面でも、映像化されたことでより明確に提示されているため、既読者だけでなく未読者も作品の世界観に引き込む魅力を持っている。映像美と圧巻のアクションシーンという王道のツボを押さえつつ、どこまで深まる謎にいつのまにやらハマりこむ。公開当時から話題を呼んだ映像が3D化された部分は必見だ。プロジェクト再始動を機に、原作の読破を途中で挫折した人も再挑戦してみてほしい。13日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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