女優の永作博美さんが主演する映画「四十九日のレシピ」(タナダユキ監督)が11月9日に公開される。映画は、亡くなった母親が残した「レシピ」を通じ、心に傷を抱える残された家族の再生を描く物語。不妊治療がうまくいかず、夫に不倫されて結婚生活が破綻してしまう主人公を演じた永作さんだが、実生活では6月に出産したばかりの娘と3歳の息子を抱える2児の母。子どもとの日常を「毎日めまぐるしくて叫びたくなることもある」と笑いながら明かす永作さんに、変わらぬ美しさの秘訣(ひけつ)や自身の「レシピ」について話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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インタビュー中、チャーミングな笑顔が印象的だった永作さん。現在43歳。デビュー以来、変わらぬキュートさを保ち続けているが、その美の秘訣を聞くと「維持してるとは思えないんですが……」と首をかしげつつ、「本当に好きなものを食べて、しっかり出すことがいいんじゃないでしょうか」と語る。「やっぱり滞ることがよくないので、腸をきれいにすることが一番いいと思います。消化酵素が大事なので、そういった(ものが含まれている)食品を取るようにしていますね。今は甘酒にはまっていて、毎朝、豆乳で割って飲んでいます」と健康法を明かした。
普段の料理については「働いていて家にいないことが結構あるので、温めて食べられて喜ばれるものというと、カレーが多い」といい、「トマトとしょうがを必ず入れること」がこだわりだという。「トマトは酸味、しょうがは辛みとして必要ですね。それからヨーグルト。これも酸味とコクが出ます」と続ける。料理全般については「塩とこしょうがあれば大体おいしくなると思うんです。あとはレモンなどの柑橘(かんきつ)系。野菜もお肉も魚もこれがあれば。素材の味を生かした調理法をしています」と語る。
一方、永作さんにとっての“人生のレシピ”は、「過ぎたことは忘れること」だという。「毎日、時間に追われていて、目の前にあることに精いっぱいみたいなところがあって振り返る余裕がない」と苦笑する半面、「過ぎたことにクヨクヨするのは、せっかく新たな時間が来ているのにもったいないなと。忘れることが楽しく生きていく秘訣かなと思います」と笑顔を見せる。
また、両親から受け継いでいる“人生のレシピ”については、「押し付けるタイプの親ではなかった。自由に好きなことをやらせてもらった。それから、すごく自立していて働き者だなと思います。視野が広いところも見習いたいですね」と生き方を尊敬している。そんな両親を持った永作さんに自身の子どもに残したいレシピを聞くと、「これからもしかしたら出てくるかもしれないんですが……」とまだまだ発展途上にいることを照れながら語った。
次回は、永作さんの主演映画「四十九日のレシピ」の見どころや共演者との撮影秘話などを聞く。
<プロフィル>
ながさく・ひろみ。1970年10月14日生まれ、茨城県出身。テレビドラマや舞台など、コメディーからシリアスまで幅広い作品に出演。おもな映画出演作に、「ドッペルゲンガー」(2003年)、「空中庭園」(05年)、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(07年)、「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(10年)などがある。11年の「八日目の蝉」では第35回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞ほか、映画各賞を受賞した。11月9日に映画「四十九日のレシピ」が公開されるほか、待機作に14年冬公開予定の「さいはてにて−かけがえのない場所−」がある。