注目映画紹介:「Wake Up,Girls! 七人のアイドル」 アイドル志望の少女たちの青春

(C)Green Leaves/Wake Up,Girls!製作委員会
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 「らき☆すた」などで知られる山本寛監督が手がける、仙台を舞台に7人の少女がアイドルを目指して奮闘する劇場アニメ「Wake Up,Girls! 七人のアイドル」が公開中だ。地方の弱小プロダクションのマネジャーに声を掛けられた歌もダンスも天才肌の島田真夢を中心に、アイドルを目指す少女たちが試練にぶつかりながらも夢に向かって成長していく姿を描く。山本監督のほか、脚本を務める待田堂子さんや音楽担当の神前暁さんといった「らき☆すた」を生み出したメンバーが約6年ぶりに集結したことでも話題を集めている。物語の中心となる劇中のアイドルユニット「Wake Up,Girls!」の7人の声は、オーディションで選出された新人声優が務め、実際にもユニットを結成してデビュー。公開日にはテレビシリーズの放送がスタートした。

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 仙台にある弱小芸能プロダクション「グリーンリーヴズ・エンタテインメント」は、最後の所属タレントに逃げられ廃業寸前。社長の丹下順子(声・日高のり子さん)はアイドルユニットのプロデュースを思いつく。スカウトに出たマネジャーの松田耕平(声・浅沼晋太郎さん)は素晴らしい歌声を持つ少女に出会うが、アイドルという言葉を聞くと少女は立ち去ってしまう。少女は、かつて国民的人気アイドルユニット「I-1クラブ」のセンターを務めていた島田真夢だった……という展開。

 舞台となる仙台市の描写、人物や世界観といった設定の緻密さなど、こだわり抜いた圧倒的なリアリティーが物語に深みを与え、丁寧に描かれたキャラクターの仕草や自然な動きは、アイドルが実際に存在するかのような錯覚に陥らせる。テレビシリーズが同時展開される今作だが、劇場版で描かれるのはアイドルユニット結成までという前日譚(たん)。オーディションやレッスンなどをきっちり見せることでデビューに向けて頑張るアイドルたちを見守るファンのような気持ちを生み、感情移入しやすくしている構造にも好感が持てる。ヒロインたちの声優陣がオーディションで選ばれた新人というのもストーリーと重なり、より一層、彼女たちを応援したくなる。TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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