ドラゴンボールDAIMA
第7話 クビワ
11月25日(月)放送分
話題の書籍の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、深沢美潮さんの「女優のたまごは寝坊する。」(早川書房)です。同社第1編集部の吉田智宏さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この書籍の魅力は?
ずばりキャラクターの愛らしさです。主人公の新倉帆乃歌は二十歳で女優を目指して日夜奮闘しており、その最中事件に巻き込まれる……というストーリーなのですが、ドジっ娘ならぬ“楽天っ娘”で、見ているこちらがハラハラしどおし。「女優になれるなれる、よし行こう」という気軽さで上京しますが、底抜けの楽天家ぶりに、「気をつけるんだよ」と親戚のおじさんのような気持ちで見守ってしまいます。深沢美潮さんといえば「フォーチュン・クエスト」シリーズというファンタジーを25年以上も、今も書き継いでいます。本書も皆様に長く愛されていってくれればと願っています。
−−書籍が生まれたきっかけは?
「ミステリマガジン」のために、著者にエッセーを依頼したのが出会いです。「大切な方へお礼の気持ちを述べるコーナー」にご登場いただき、ちょうどそのころに深沢さんの恩師がお亡くなりになっていました。私は深沢さんの長年のファンでしたし、深沢さんはお父様が早川書房の作品が大好きだったということで、お会いして「何かを生み出しましょう」という、さまざまな思いが重なってご一緒する縁ができました。
−−著者はどんな方でしょうか?
登場人物を本当に愛して生み出してくださる方です。何度もカフェで打ち合わせをして、メールでもやりとりをして、今の帆乃歌ちゃんが生まれました。オーディションを受けると、役のヒロインを想像して頭の中で存在させて会話をかわすという癖がある。この“ごっこ遊び”に近い個性を持つキャラクターを生み出したとき、我が子が誕生したようにうれしそうに話してくださったのを思い出します。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
“興奮すること”と“大変なこと”が同じなのですが、帆乃歌ちゃんにどんなオーディションを受けさせようか、どんな男子と仲よくなっていくか、私の方が妄想しすぎて展開をメールで深沢さんにたくさん送りすぎたところ、あまりの量に深沢さんに苦笑されました。親戚のおじさんの気持ちでありながらも、「彼女にもっとこんな仕事してほしい」「ああしたらどうか」と浮かんできて、これってもはやマネジャーの心境なのでしょうか。
−−最後に読者へ一言お願いします。
そうですね、ではでは帆乃歌ちゃんからメッセージをもらいましたので、掲載させていただきますね。
「私、ぜったいぜーったい、いい女優さんになります。でも寝坊癖とかだめだめなところいっぱいなので、読者のみなさんのシッタゲキレイが必要なんです。ぜひぜひ応援よろしくお願いします!」
早川書房第1編集部 吉田智宏
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