「HUNTER×HUNTER」のゴン役などで人気上昇中の声優・潘めぐみさんと、「機動戦士ガンダム」のララァ役などで知られる母親の潘恵子さんが、さまざまな思いや出来事を交換日記形式でつづります。今回は、“潘さん”こと恵子さんが、若い人とのつながりやかつての仲間について語ります。

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　春の桜の季節が終わると、新旧が入り交じり、交差していく今日このごろ。誰もが昔、新人だったころを思い出すのではないでしょうか？　新人以外の人はね！　今回は若い人のつながりでステキな春を過ごしました。

　この間のお正月に「HUNTER×HUNTER」や「ジュエルペット」でメグがお世話になっている平野綾ちゃんと一緒に食事をしたんです。「レ・ミゼラブル」の公演が素晴らしかったことや、星の話＝西洋占星術の話で時間がたつのも忘れてしまったくらい……。そのとき、「『生』まれた『日』を縦に並べると『星』になるのよ！　あなたの使命は何！？」といった話をしました。そして別れ際、彼女が「今度『レディ・ベス』のエリザベス役が決まったんです！」とうれしそうに教えてくれました。

　その、平野綾ちゃんの初の座長公演を先日、あなたと見に行った時のこと。私は、自分が声優を出発点に「ピーターパン」の舞台に立った時と重ね合わせてしまい、ドキドキ、そわそわ。そして劇場の扉から入った途端、「まさか！」と2人で顔を見合わせ、目を見張ってしまったのです。

　中世英国を舞台にしたエリザベス1世の芝居の舞台装置にビックリ！　なんと、その大きな帝国劇場の舞台いっぱいに、お正月に話した十二星座宮、つまり円形のホロスコープがセットされていました。それを見た瞬間、「年の初めに綾ちゃんに会ったことには意味があったんだ！」と痛感。普通は偶然といいますが、それは必然以外の何物でもなかったのです。

　かつて私は占い本に「勤勉でまじめ。潔癖主義がゆえに国を愛し、国のために生き抜いたエリザベス1世は、まさに乙女座生まれ」と書いたことがあります。綾ちゃんの演じるレディ・ベスはベテランの俳優陣の中で、とても初々しく、キラキラと輝いていました。使命ある若かりし女王を好演していた彼女に拍手！

　終演後、「ホロスコープが舞台のセットになることを知っていたの？」と綾ちゃんに聞いてみたら「いいえ、私もビックリ！　とても感じるところがあって……」と彼女も感慨深げでした。今回、メグのつながりで出会いの必要性と必然性をかなり強く実感しちゃいました。「レディ・ベス」、ぜひ皆さんも、ご覧になってください。

　そして春の出来事の二つ目は、懐かしいお話。何年前だったでしょうか……。録音スタジオの片隅で赤と白のボーダーシャツにサロペットを着て体育座りをしながら台本を一生懸命読んでいる少年に、私は声をかけました。

　私　「キミ、いくつ？」。少年「18歳……。えへへ」。この少年、誰だと思います？たのきんトリオの一人、田原俊彦君だったんです！　いや、今は、田原俊彦「さん」ですね。

　私は25～26歳だったかな。これはニッポン放送の「夜のドラマハウス」というラジオドラマの録音スタジオでのお話。その日は田原俊彦さんの歌のタイトルにまつわる10分くらいのショートドラマ5本、1週間分どりで、私がお相手役をした時の話です。

　そのニッポン放送の「夜のドラマハウス」のプロデューサーでもありディレクターでもあったドン上野こと、今は亡き上野修さんの門下生で、放送作家の藤井青銅さん、渡辺真美さん、さらだたまこさんたちが、先日かつての番組のスタッフ陣と声優陣に声をかけ、「夜ドラ同窓会」を企画してくれたのです。郷ひろみさんの「お嫁サンバ」の時は、このお三方や他の作家さんたちがタイトルにまつわるショートドラマを競って書いて、すぐに歌手や私たち声優がその作品を演じる……。本の面白いことといったら！　必ずオチがあるんです。懐かしい～。

　海外ドラマ、「白バイ野郎ジョン＆パンチ」の田中秀幸さん＆古川登志夫さん、そして野島昭生さん、三ツ矢雄二さん……、当時の声の出演者も集まり、思い出話に花が咲きました。しかし何といっても上は69歳、下は55歳！　最年少が55歳という、ちょっとした年配者の集まりでしたが、そのお店の中では若者の集まりには負けないほどのパワーだったと思います。実ににぎやかで、楽しい時間はあっという間にたち、またの“夜ドラ”の復活＆再会を約束して楽しい宴を後にしました。

　人と人とのつながりの元は、そのときどきにどれだけ一生懸命だったか、本気だったか、熱かったかといったエネルギーの燃焼度にあるのではないのかなあ……。そして、待っているだけではだめ！　自分からつなげる努力が大切！！　この春はメグのつながりや、かつての仲間とのつながりがハッピーな時間をもたらしてくれました。ヒトとモノとの出会いを一つ一つ大切に、そして、つなげていこうね。メグさん！！

　★5月のラッキー星座＝牡牛座……ためらいは不要！　思い立ったら即、行動が大ラッキー！

　◇プロフィル

　潘恵子（はん・けいこ）＝東京都生まれ。「機動戦士ガンダム」のララァ・スン役や「聖闘士星矢」の城戸沙織役などで人気を集める。また、西洋占星術師としても「月刊ガンダムエース」（角川書店）、「のびのび子育て」（PHP研究所）などで連載を持つほか、「ララァのガンキャラ占い」（角川書店）など著書多数。