女優の黒木メイサさんが出演中の連続ドラマ「ブラック・プレジデント」(関西テレビ・フジテレビ系)が、17日に最終回を迎える。ドラマは、主演の沢村一樹さん演じるブラック企業の社長・三田村幸雄が大学に社会人入学し、“ゆとり世代”の学生たちと衝突しながらも周囲を変えていくというストーリー。大学の講師・秋山杏子役の黒木さんに、沢村さんら共演者との舞台裏や、最終回の見どころなどを聞いた。
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黒木さんが演じる杏子は、三田村が通う大学の経営学の新米講師。気が強くサバサバした性格で、ズケズケとものを言う“ブラック”な三田村にたびたび反発し、三田村をブラック社長として告発する暴露本を出版しようともくろむ。
自身の役どころについて、黒木さんは「働いている女性としてのプライドはありつつ、大学の外に一歩も出たことがないので、どこか自信がない。選んだ仕事が本当に自分のやりたいことなのかなどの葛藤もあって……」と分析。「そういう部分は働いている方にとって1度や2度は考えることなのかなと。働く女性のリアルを表現できればと思って演じています」と共感を寄せる。
また、対立する三田村の考えにも「共感する」という黒木さん。「台本を読みながら『ああ、言えてる。言えてる』って。『なるほどなあ』って思ったりします」といい、「言動をブラックだと感じるのも、とらえ方次第というか。適当に扱われているよりは、熱を持って接してくれてる方が私はいいと思う方なので」と持論を語る。
黒木さんにとって、三田村を演じる沢村さんとは本格的な共演は今回が初めて。これまで現場で接してきた印象を「三田村さんのキャラとかぶって見えることが多々あります」と表現し、「率直で思ったことをすぐおっしゃるんです。唐突に『メイサちゃん、でかいね!』って言い出したり。こちらは『何がですか?』って驚いちゃうようなところが、三田村さんっぽいというか……」と笑う。
続けて、「三田村さん同様、学生役の子たちと同じ目線で話していて。本当に学生のようにその場を楽しんでらっしゃるところがすてきだなあと思います。普通、沢村さんのようなベテランの俳優さんと共演すると、学生役の役者さんたちは緊張してピリッと張り詰めた空気になったりすると思うんですが、沢村さんがそうならないように意識して空気を作ってらっしゃるんだと思います」と尊敬のまなざしを送る。しかし、「話題はほとんど下ネタ。学生男子たちと盛り上がっています(苦笑)」と沢村さんの独特のキャラも健在のようだ。
一方、黒木さんは役どころで、国仲涼子さん演じる三田村の秘書と壇蜜さん演じる三田村の会社の産業医と“女子会”を開催し、ぶっちゃけトークを展開している。プライベートでは「女子会をしたことがない」という黒木さんだが、「国仲さんも壇蜜さんも女子会をしたことがないようで、『どんな話をするんだろう?』ってことになったんです。それで、やっぱり恋愛じゃないですかと、私の友だちの恋愛ネタを引き合いに出して撮影の合間に3人で話したりしましたね」と舞台裏でも疑似女子会を楽しんだという。
和気あいあいの雰囲気の撮影現場だが、ドラマはいよいよフィナーレを迎える。最終話では、三田村の会社に米国の企業から提携話が持ち上がる。条件として、三田村がニューヨークに新設する合併会社の社長に就くことを要求されるが、部下は大反対。三田村は岐路に立たされる……というストーリー。黒木さんは見どころについて、「社長、従業員、学生、立場は違ってもそれぞれに悩みはある。そして、それぞれが目標に向かって挑戦していく。そういう意味で、三田村さんやゆとり世代の若者たちが垣根を越えて一つにまとまる感じが私はしました。社会人になったら終わりではなく、社長になっても挑戦し続けないといけない。人生は目標を持たないと楽しくないですよね」とまっすぐな視線で語った。最終話は17日午後10時に放送。
<プロフィル>
1988年5月28日生まれ。沖縄県出身。身長165センチ。2004年、つかこうへいさん演出の舞台「熱海殺人事件・平壌から来た女刑事」で女優デビュー。その後、ドラマ「風のガーデン」(フジテレビ系)、「新参者」(TBS系)、「ジウ 警視庁特殊犯捜査係」(テレビ朝日系)や、映画 「着信アリ ファイナル」「SPACE BATTLESHIP ヤマト」「アンダルシア 女神の報復」など話題作に出演。13年には、NHK大河ドラマ「八重の桜」にも出演し、現在は「ブラック・プレジデント」(フジテレビ系)に出演中。8月30日には、峰不二子にふんした実写版映画「ルパン三世」の公開も控えている。8月24日~9月8日にEX THEATER ROPPONGI(東京都港区)で主演舞台「VAMP~魔性のダンサー ローラ・モンテス~」に出演。