ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
ドラマ化もされた「チーム・バチスタ」シリーズの10年後を描いた海堂尊さんの新作「アクアマリンの神殿」(角川書店、7月2日発売)は、「ナイチンゲールの沈黙」や「モルフェウスの領域」などに登場する少年・佐々木アツシが主人公となる先端医療エンターテインメント小説だ。世界初の「コールドスリープ<凍眠>」から目覚め、未来医学探究センターで暮らす少年・佐々木アツシは、深夜にある美しい女性を見守っていたが、彼女の目覚めが近づくにつれて重大な決断を迫られ、苦悩することになる……というストーリー。マンガ家の深海魚(ふかみ・さかな)さんのカラーイラスト付きで、全24回連載する。
あなたにオススメ
来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹” 朝ドラヒロインまで手が届くか
◇西野昌孝の敵編3 オンディーヌ
三人目はぼくが棲んでいるこの塔、アクアマリンの神殿に眠るオンディーヌだ。
結局はもの言わぬ女神が一番の強敵なのさ、それにしてもこんなチンケな坊やの周りに、どうして勇ましくてきれいな女性ばかりが寄ってくるのかなあ、ほんと、ねたましいよ、とはかつての西野さんの弁だ。でも本気で妬ましく思っていないことは、「妬ましい」という単語を、ひらがなにひらいた口調で言っていることからも丸わかりだ。
オンディーヌは、ぼくの中での比重が大きすぎるので、他の「敵」と同列には語れない。だからここではこれ以上詳しくは説明しない。
四人目。この人はオンディーヌと正反対の意味で座標が違いすぎるので、ぼくには説明できない。オンディーヌについては“説明しない”だけど、この人の場合は“説明できない”だ。
でもそれは仕方がない。なぜならぼくはその人の名前すら知らないのだから。
西野さんはIT関連会社の営業部員という肩書だけど、実態はトップレベルの研究員で、営業部員の名刺を持ちながら、その枠組みを超えて好き勝手に仕事をしている。人材豊富なIT業界も内実はドングリの背比べだと西野さんは一刀両断するけれど、ちょっとシャクに障る相手がいて、それがアルケミスト(錬金術師)という名のシンクタンクの主任部長なのだと言う。
西野さんが「敵」の優秀さについて語る時、なぜか楽しげだ。ひょっとしたら西野さんは「敵」としか会話できない人なのかもしれない。すると本当は「敵」ではなく「好敵手」かもしれない。大福のアンコだけ取り出すみたいに「好敵手」という言葉から真ん中の「敵」だけつまみ出したようなものだ。ただし、西野さんは特別アンコ好き、というわけでもなさそうだけど。
五人目は自分で言うのも気恥ずかしいけれど、ぼく自身だ。
西野さんはある日ぽろりと、「坊やも僕の敵になれる資格をかろうじて持ち合わせているね」と言ったけど、それはぼくにとっては最高の褒め言葉だった。けれども単純には喜べないのは、西野さんの発言はいつも一筋縄ではいかず、ひねくれているからだ。
でもその言葉を素直に取れば、ぼくも西野さんの「好敵手」に含めていいのだろう。これで西野さんの言う通り、西野さんの「敵」はちょうど片手ぴったり、五人ということになる。
<毎日正午掲載・明日へ続く>
11月20日に初フォト&エッセー「瞳のまにまに」(講談社)を発売したテレビ東京の田中瞳アナウンサー。「視聴者の皆さんはもちろん、制作側にも信頼されるアナウンサーになりたい」と語る…
テレビ東京系の人気バラエティー番組「モヤモヤさまぁ~ず2(モヤさま)」(土曜午前11時半)の4代目アシスタントや、経済ニュース番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」(月~木…
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のアニメ「呪術廻戦」のテレビアニメ第2期「懐玉・玉折」に登場する高専時代の五条悟らをデザインし…
タレントの黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」(講談社)が、「最も多く発行された単⼀著者による自叙伝」として12月14日、ギネス世界記録に認定された。1981年3月6日に刊…
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第32回「小牧長久手の激闘」が、8月20日に放送される。家康(松本さん)は秀吉(ムロツヨシさん)側の1…
2024年12月25日 10:00時点
※TVer内の画面表示と異なる場合があります。